幻滅デイリー
無い物ねだりなのさ
「手に入れられないからこそ、ますます熱くなるんだろ」
彼はわたしを見て、そう言った。
彼は、筋金入りの金槌だった。だからこそ、水泳部に入部した。
彼は、英語が喋れなかった。だからこそ、英会話教室に入会した。
彼は、オセロで勝った事が無かった。だからこそ、オンラインゲームで修行を続けている。
「お前は俺に落ちないからこそ、俺は猛烈にお前が欲しくて仕方無いんだよ」
彼は言う。なら、わたしがあなたに落ちてしまったら、あなたはわたしから興味を無くすわけね。
じゃあ、もう少しだけ御預け喰らわしてあげるわ。
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