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幻滅デイリー
わたし的、恋愛論
 苦いチョコレートは、嫌いなの。甘い甘い、チョコレートが好き。同じ様に、恋だって甘いのが好き。痛い思いなんて、真っ平ごめんよ。

「これ、君に似合うと思って」
「わぁ……、綺麗! ありがと、先輩」
綺麗な貴金属を貰ったって、キス一つでチャラ。でも、飽きたらセコハン行きなのよね。

「おい、ナツキ」
「なーによう」
チラッと見ると、ちょっと気になるクラスメイトが立っていた。気にはなっていたけど、手は出してない。きっと、それはクラスメイトだから。
「メグミとの仲を、取り持ってくれ!」
「は、……はァ?」
メグミも、わたしのクラスメイト。彼は手を合わせて、拝む様にこっちを見ている。
「頼む、お前しかいないんだ! 何でもする! だって、恋の百戦錬磨って言ったらお前しかいないって言われたし!」

 お前しかいないんだ。

「解ったわよ……」
そんな事、言われたら聞くしか無いじゃない。でもね、わたしは知っているの。彼女に想い人がいる事を、彼女の想い人は彼女が好きな事を。あなたが失恋したら、わたしの所に来るって事を。
「んふっ」
わたしは、笑う。
「マジでサンキューな、ナツキ!」
「どう致しまして」

 誰も、知らない。

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