[携帯モード] [URL送信]

幻滅デイリー
そんな、初デート
「付き合って下さい」と言ってから、初めてのデートだった。

「ごめんね、待った?」
「いや、俺も今来たところだし」
待ち合わせは、駅の時計前。制服姿しか見た事の無い彼女に、いつも以上に緊張したり。尚且つ、短すぎるスカートにますますドキドキしたり。我ながら、初々しいと思った。

 その彼女は不思議というか、見た目より機能重視というか。「昼は、フレンチにする?」と訊けば、「あ、わたし美味しいところ知ってるんよ」と嬉しそうに言う。

 ついて行けば、小さなラーメン屋だった。正直に言えば、色んな意味で驚いた。
「ここ、ネギ入れ放題なんだよ」
とか笑って言うものだから、ただ頷いて食べた。
「ただ、狭いけどね」
その瞬間に、互いの膝がぶつかる。
「ね?」
「確かに、狭いね……」
ラーメンの味なんか、全く解らなかった。醤油だったか、塩だったか、味噌だったかなんてどうでも良かったのかもしれない。

「この後、どうする? 映画? カラオケ?」
すると、彼女は首を振った。
「だって、映画もカラオケも喋れないから。それより、何か話して。散歩しながら、行こう」
財布には優しいけれど、今まで付き合ってきた女の子とは全く違う彼女だった。

[戻][進]

9/29ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!