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幻滅デイリー
サブカルチャー娘
 ガッシャン、と酷く耳障りな音が響いた。どうせ、また彼女だろう。
「ドジというか、間抜けというか、鈍いというか、運動音痴というか」
ジャージ姿で顔面から転んだ同級生に、手を差し延べる。
「ほら」
「うう……っ」
俺の手を掴み、立ち上がる。そして、ジャージに付いた土を叩く。
「体育の時間も、眼鏡をかけたらどうだ?」
「アンタみたいに、わたしはそんな視力悪くないもん」
そのまま、また倒してやろうと思ったがやめておく。
「しかし、頭は良いくせに運動音痴って酷くないか」
「うっさい、バカ! 運動音痴って言うな、理論は解ってんだから」
ぜいぜいと肩で息をしながら、ハードル走の列へと並ぶ。
「もう、転ぶなよ」
「受け身は取れるし、踏み切るタイミングだって計算出来てるわ」
ふん、と他人を突っぱねる態度は相変わらずだと思う。それから、負けず嫌いという姿勢。
「しかし、鈍い」
ハードルに引っ掛かって転ぶ後ろ姿を見ながら、俺は溜め息をついた。



「大丈夫かよ」
列に返って来た彼女に訊くと、ジロッと鋭い目付きで睨まれた。
「大丈夫だもん、お兄ちゃんだって萌えだって言ってたもん」
どうやら、駄目らしい。

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あきゅろす。
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