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幻滅デイリー
ドロッパーズ2
 小さくなった。小さくなった。小さくなった。彼は、小さくなった。質問しても詰問しても、ただ膝を抱えて小さくなっているだけだった。



「ずっと、そうしているつもり?」
「……………」
何も言わずに、目だけでこっちを見ている。
「何か、一言くらい言ったらどうだ」
「……………」
口は開かずに、キョロキョロと目玉を動かしている。ぼくより大きな体を丸めて、こちらを窺う様に観察している。
「……………」
しかし、唇は動かす気配は無い。
「ずっと、黙っているつもりか?」
「……………」
ここまで来ると、もう気色が悪い。
「いい加減にしろ、ぼくだって苛々しているんだよ」
「……………」
「……なァァァッ!」
ダンッ、と勢いよく床を踏み鳴らす。
「……………」
すると、ますます膝を抱えた彼は小さくなっていく。初めは立場の差か、と感じていた。しかし、ぼくより大きな体はみるみるうちに小さくなっていく。子供、赤子とその姿は段々と小さくなっていく。
「お、おい……」
「……………」



 やがて、彼は飴玉サイズになった。ぼくは、なぜかそれを少しも躊躇わずに口の中へと放り込んでいた。
「……まずい、な」

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