幻滅デイリー ドロッパーズ2 小さくなった。小さくなった。小さくなった。彼は、小さくなった。質問しても詰問しても、ただ膝を抱えて小さくなっているだけだった。 ※ 「ずっと、そうしているつもり?」 「……………」 何も言わずに、目だけでこっちを見ている。 「何か、一言くらい言ったらどうだ」 「……………」 口は開かずに、キョロキョロと目玉を動かしている。ぼくより大きな体を丸めて、こちらを窺う様に観察している。 「……………」 しかし、唇は動かす気配は無い。 「ずっと、黙っているつもりか?」 「……………」 ここまで来ると、もう気色が悪い。 「いい加減にしろ、ぼくだって苛々しているんだよ」 「……………」 「……なァァァッ!」 ダンッ、と勢いよく床を踏み鳴らす。 「……………」 すると、ますます膝を抱えた彼は小さくなっていく。初めは立場の差か、と感じていた。しかし、ぼくより大きな体はみるみるうちに小さくなっていく。子供、赤子とその姿は段々と小さくなっていく。 「お、おい……」 「……………」 ※ やがて、彼は飴玉サイズになった。ぼくは、なぜかそれを少しも躊躇わずに口の中へと放り込んでいた。 「……まずい、な」 [戻][進] |