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幻滅デイリー
不良優等生 成績編
 少女は職員室前の水場でモップを洗って、それは器用に絞っては廊下を磨きながら俺と話続けていた。見ながらも、あまりに自然過ぎる行為でツッコめずにいた。

「その前にさ、君。今、朝の七時なのに何故学校にいるんだ? 君は、帰宅部だったろう?」
よいしょ、と持っていた模造紙を開く。勿論、職員室前に掲示する為である。テスト期間も終了したし、特に行事も無いはずだ。すると、彼女はきょとんとして答える。
「え、朝は掃除しに早く来てるに決まってんじゃん。綺麗な学校で勉強したら、気持ちいいし」
「……君は、全生徒の鑑だよ」
「どこがだよ! わたしは、不良なんだぞ!」
と言いながら、床に置いた画鋲入れから数個を取り出して差し出す。
「ありがとう」
「あ、良いよ。先生は持ってて、わたしが画鋲刺すから」
四箇所留めるには、そう時間はかからなかった。あっという間に、中間試験成績が前に広がる。
「君は498点で、相変わらず首席じゃないか。これのどこが、不良なんだ?」
「不良だって、学生なんだぞ! 学生の仕事は勉強なんだから、そこは筋を通すってのが不良の正しい生き方だろ!」
「た、正しい……?」

 おかしい、何かが絶対おかしい。[完?]

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