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幻滅デイリー
留置所外泊
 何も覚えちゃいない。ただ、頭の中がボーッとして何も考えられないだけだ。
「こーむしっこーぼーがい、だって」
「ふうん」
公務執行妨害ね、と脳内で変換する。クソ、頭が痛い。まさか、娘が迎えに来るとは。しかも、留置所に。



「酔っ払って、スーパーサイヤ人3になってたらしいな」
けけけ、と同僚が笑う。要約すると、昨日飲み会で酔っ払って警官に絡んだという事だ。うん、それは言った記憶がある。「あァ? 税金泥棒が、俺に指図してんじゃねえぞ!」とか、「いい加減にしろ、うるせえ!」とか言った……かもしれない。
「しかし、一晩だけで良かったな」
「いや、それがな」
「ああ、娘さんが迎えに行ったろ?」
え? と同僚を見る。何で、こいつが知っているんだ。
「俺が連絡してやったんだぜ」
とおまけに言うものだから、後ろから膝カックンを入れてやる。確かに、こいつと飲みに行った。
「うぉわッ! 何すんだよ」
「それは、こっちのセリフだ」
みっともないったら、ありゃしない。
「今日も、行っとく?」
ニヤッと笑いながら言うものだから、俺は力任せに蹴りを入れた。

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あきゅろす。
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