[携帯モード] [URL送信]

幻滅デイリー
取捨の女
 あなたを繋ぎ留めておける手段が無い事を、わたしが一番知っている事はずなのに。

 身体なんて、飽きがくれば捨てられる。わたしは、テクニシャンでも何でもない。顔だって、整形すればいくらだって良い物は手に入る。あの人気女優の顔にだって、お金を積めば手に入る。あなたを楽しませる話術も無いし、あなたに話を合わせる事すら出来はしない。お金なんて、あの人はいくらでも持っているから関係無い。わたしには、何も無いのに。それでも、未だわたしに優しいあなたが怖くて仕方が無い。

 わたしは、あなたを満足させているのでしょうか。もしかして、わたしなんかでは不満なのでしょうか。わたしは、一日中その事ばかりを考えているのです。捨てられてばかりいるわたしは、身の程知らずにもあなたに捨てられてしまうのではないかと、拾って頂いた御恩も忘れて疑ってしまうのです。醜い、わたしの女の性を許して下さいませ。面倒な女だと、あなたは思われる事でしょう。わたしは、それを否定する事も出来ません。しかし、わたしは怖いのです。不安で不安で、仕方が無いのです。何卒、わたしの前から姿を消さないで下さいませ。それが、わたしのたった一つの願いなのです。

[戻][進]

2/31ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!