持て余す身体 翌朝、私は目を覚ましたら仙蔵くんが私の顔を覗き込んでいた。 「なっななななな!!」 「寝てる時は間抜け面になるんだな」 「…………」 「…ほら早く支度済ませてこい、私は待ってやらんぞ」 「わかったわよ!」 そう言って私は立上がり顔を洗いに行く、彼方は本当に意地悪だ。 鏡を覗けば抱かれた痕が見える、それに触れて思い出すは彼方の荒い息遣い。 そんなこんなで私達は帰宅する中軽く言い合いながら帰る。 彼方は気付いていないのだろう、私は諦めが悪い…彼方を独占する日を手に入れる。 他の女には渡さない… ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 「立花くん…」 「好きだ、お前を離したくはない…」 「……」 「どうかしたか?」 「っ、隠すくらいしなさいよね!この女好きッッ!!!」 ――バシンッ! 「っう…!!」 きっと仙蔵くんがまた今日の夜も誰と寝るに違いないと思った私は彼方に痕を残した。 普段付けさせてくれない、それは皆一緒。 「何故だ?……な?!名前を入れてね、お前という奴はっ!」 だから少しでも抱かせないようにしてやった、意地悪な彼方に仕返しをする。 そして私だけの人にしてみせる、もう私は諦めたりしない。 「大好きよ仙蔵くん」 そう言って、彼方を思い欠けた三日月を見上げて笑った。 end. 【19/07/20.完成】 [前へ][次へ] |