ご指名は?1.5 45
「あっ、ありがとうございます..!」
「ヤッ..ノットノット!!!お化け屋敷だかきぃもだめし開催いッッッ!!!」
わぁぁっ!!と、暗がりの中ヤイノヤイノ変な踊りでお祭り騒ぎしているのはくくさんだけ。
そして、こんなに顔が引きつっていて、顔が真っ青でアゴが外れそうな程震えているのも私だけ..!
ていうかおばあちゃん速いよ!!あれから皆さん達で蝋燭をあちらこちら設置したりここオバケ出るよと場所をなんとなく覚えたり..それから外もいい感じに暗くなって今に至る。
なんとなく、気になってこういうのを迷惑がりそうな菜太郎の方を向く。機嫌が良いとも悪いともない表情。いつも通りだ。
「おい」
と、葉太郎くんが騒ぎすぎるくくさんに対して話しかけた時、
「クジ引きぃぃぃッッッ!!!ペアで進むんだ、よッッッ!!!」
テンションたっけぇ、大きな箱を両手で持ち始めたくくさんに遮られた。と、ここでハッとした。
「くくさんとペアになったら..!!」
やる前から背筋がゾッ。
「大丈夫!くくにはカメラマンしてもらってるから」
「あっ、たしかにくくさん手にカメラが」
ホッ..とした。胸をなでおろす。
「これでくじ引かなくてもjkとずっとトゥゲャザーッッッ!!!」
ハッとまた悪い事に気付いてしまった。葉太郎くんと一瞬目があったけど、同じ顔をしていた。
「それも大丈夫、くく以外の全員に、何かあったら鈴ちゃんを全力で守ってって言ってあるから!」
そ、そうか..!しかも、逆にくくさんが恐怖を和らげてくれるかもしれないし3人だと人数が多い!
(全員参加っておばあさんに言われたからなぁ..そうじゃなければくくだけ外す事も出来たな。)
隼人は目を閉じ、あごに手をあてて考える。
(それと、カメラ係俺で鈴ちゃんのそば確定、くくはクジ引きの運に任せる、みんなは楽しんで!って言うのも考えたけど...)
ちらっと、隼人は、浮かれているくくを凝視する。
(もしそれでくくとこの子が運命的にペアになって怖がる鈴ちゃんにくっつかれて嬉しがるくくを撮り続けるなんて俺どうなるか分からないし)
「それなら安心です!」
(よし...!!)
この時、男達は思った。
「じゃあ引こおおおッッッ!!!」
(神様この先全てのことにおいて不幸になってもいいので鈴ちゃんとペアをーー!)
(なんだこの熱い気持ちはッッ!?山田とペアにーーッッイヤなんでオレこんなこと考えて)
(山田鈴ちゃんーー友達になりたいからこの子とペアをーー!!)
一斉にクジを引き始めた刹那、な、何か、スウさんと菜太郎以外、皆さん顔がこわい..!!
(何か....この屋敷から...嫌な.......感じがする.........山田さん達....大丈夫.....かな.........)
皆さんスティックを取り出した後、すぐ裏返してジッ。その絶景に圧倒されつつ、自分もスティックを裏返す。
「1だ」
その瞬間、歓喜の叫びを上げたのは、
「えっ!?」
華夜さんだった!えっ、あれっ、なんか..
「きゃーっ!よろしく鈴ちゃんっ!!」
嬉しい!!理科子ちゃんと偶然ペアになった気持ちだ..!!
華夜さんは私の手をギューッと握った。私も嬉しくて、つい同じくらいギューッと握り返してしまった。
「は、はい..っ!よろしくお願いします!!」
惨敗の男2人。肩を落としていたが、こいつとあの娘がペアじゃなかったし、女の子同士だし、何よりこの子が喜んでいるので良いじゃないか...と顔を合わせ、お互い慰めるように小さく笑った。
女の子同士だしもっと安心!!怖い時ひっついていいのかな..なんて!
「は..いや、菜太郎何番?」
さっきから何も喋らない菜太郎に、隼人さんが聞く。
「3番。」
菜太郎は目も合わせずに素っ気ない。
あれ、そういえば、こいつ精神が不安定になればなるほどマホウの力とやらが大きくなって抑えられなくなるんじゃ..。
と、菜太郎と目があった。最初は何見てんだこいつ、と言わんばかりに片方の眉を動かしたけど、お察しが良いようで大丈夫だ、と言うようにいつものツンとした表情に戻った。
くっ、見惚..いや、ゴホゴハン、今の表情私の解釈だけど伝わったかな?
「あっ、俺もだ!よろしくね、菜太郎」
と、隼人さんが菜太郎のところまで歩いていった。
「ん?てことは、オレはスウとか」
チラッと葉太郎くんはスウさんの方を向く。
「よろ...しく.................ね.............」
葉太郎くんがおう、と返事をした。
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