ご指名は?1.5 43 「間取り図?ところどころにオバケの絵があるが...」 そう言った葉太郎くんと私は一瞬ん? 「オバケの絵かわいらしい〜くくくんが書いたの?」 華夜さんがオバケのイラストを指さして、くくさんを見た。たしかに、上手い絵ではないが、この絶妙に下手な感じが可愛い。 当の本人は一瞬ぼーっとして、 「...いえすッッッ」 その時、隼人さんが最初にピンときたようで、 「なるほど、くく、ありがとう!」 ニコッとくくさんに笑いかける隼人さん。 「拒絶ゥゥゥ...もっと拒絶ゥゥゥ」 と、くくさんは不満げに声をもらし、頬を膨らませる。隼人さんが怒る方が都合良いそうだ..。 そういえば、くくさんただの変態じゃなくてこういう趣味もあったね。 と、無意識にくくさんが喜んでしまう視線を送ってしまった。あらもっと厄介な感じ〜と華夜さんが喋ってくくさんは更にハァハァし始めた。 「えっと、オバケの位置を事前に知って、なんだ、その..怖さを軽減するって事か?」 と、ここで、菜太郎が葉太郎くんが言わなかった事をあえて言った。 「ヤラセってことね。」 フ、と野郎は鼻で笑った。 「オイッッ!!」 と葉太郎くんが即座にツッコんでくれた。 ヤラセ..、私はヤラセを実行しようとしているのか!?そうだな! 「ヤラ...うーん、誰にだって怖いものはあると思うし、今回はこれで良いんじゃない?」 あああ隼人さんが庇ってくれてる..。もう口がパクパクしてあ 、は、しか言えない!なんだろう、この、口悪いけど、スッゲェ嬉しい感!! でも、何故だか知らんが、おばあちゃんの言う事は絶対感がすごい。 他人のおばあちゃんにカメラ押し付けられて、それを手伝おうとしてくれるなんて、今更ながら、なんか知らんけど、急に恥ずかしくなってきた..。 「..."ぼく"...も.....賛...成........................................」 「スウさんまで..!!」 と、思わず声をあげてしまった。皆さんこっちを振り向く。あ、また、しまった..。 「鈴ちゃん、俺たちは大丈夫だよ」 と隼人さんは、優しく声をかけてくれる。 「あ、あの、大丈夫ですよ!..た、たかがお化け屋敷ですし、皆さんに迷惑をかけさせることなど..」 声が震える。でも、こんな、遊びのことで、迷惑をかけさせたくない..! 「あ.......」 くくさんが何か言おうと口を開いた。その時、スウさんに右手を取られた。 「おろえっ!?」 と思わずまた変な声を出してしまった。カァーッと顔が熱くなる。 「ちょ、ちょっとスウ!?」 隼人さんの声が遠くに聞こえる。だめだ..もう恥ずかしすぎる! 「...手.....震え....て....る....................................」 え..? 自分の両手を見てみると、確かに、震えていた。 「あ..」 「別に、いいんじゃない」 え? 菜太郎が、初めてこっちを見てきた。眉がつり上がっていて、完全に怒っている。 ほら、迷惑かけてる..! ギュッと目をつぶった瞬間、 「本人は迷惑かかるかかるって言ってるけど、こっ ちはそれをして死ぬ訳じゃないし、馬鹿馬鹿しい」 ーーえ..? [*前へ][次へ#] [戻る] |