Destiny〜if〜 3 「大丈夫よ。落ち着いて」 感情の波に呑まれて、泣きじゃくる私の耳に届いたのは静かな女性の声だった。私は、声の主を見る。 「よかった落ち着いたわね。初めまして、あなたの担当医のリナ・カリュンフェイよ」 リナと名乗った女性は鳶色のショートカットに切れ長の紫の瞳の美人だった。そのキラを思わせる姿に胸が苦しくなった。 「大丈夫?…いえ、大丈夫なはずないわよね。でも、安心して。今は停戦中だから」 リナの言葉に私は、耳を疑った。 (て…い‥せ…ん?) あんなに激しい戦争だったのに?どういうことなんだろう?私は、一体どうなったんだろう?それに、ここは…? 疑問が次から次へと浮かび、足元から崩れていくような不安を覚えた。 「あなたが覚えてるか解らないけど、ヤキン戦の最中にプラントでクーデターがおきて、トップが交替したの。それで休戦になったの」 混乱した頭ではよく解らなかったけど、今は、戦争をしていないと知って安堵した。キラは生きているだろうか。 「それで、あなたは脱出艇から救助されたのよ」 …そうだったんだ。 「あの…一体誰が私を…?」 「傭兵の人達よ」 「よーへーい?」 私の聞き方にリナさんは笑ってどういう人達なのか話してくれた。 [前へ][次へ] [戻る] |