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Destiny〜if〜
5
「リナさんって知り合いに似てるわ」
「そう?じゃ知り合いだと思って何でも聞いてね」
リナさんは嬉しそうに笑った。
「あの、ここはどこなんですか?」
「ここは、廃棄コロニーって言えばいいのかしら。どこの軍にも属していないコロニーでね」
聞くと、ここはもともと製造技術が低かった時の廃棄されたコロニーで、移り住んできた人達が、修理してなおしたものみたい。
国に追われて、流れついた人がほとんどなんだって。戦争になってナチュラルにもコーディネイターにも嫌われて仕方なく故郷を離れてきた人もいるみたい。中にはキラみたいにコーディネイターだけど、連合に味方して結局両方から追われてきた人もいると聞いて胸が苦しくなった。
「大丈夫?」
「はい…ごめんなさい」
「ううん、いいのよ。それでね、あなたがここに運ばれてきたとき、凄い火傷だったの。でも、あと二週間くらいで痛みはなくなると思うわ。顔の皮膚は完治したから、鏡を見ても平気よ。化粧はまだ無理だけどね」
リナさんは『女の子なんだから』って首から上は元通りに治してくれていた。
「あの…ありがとうございました」
「ううん」
優しく首を振った後彼女は急に、哀しそうな沈痛な顔になった。
「それで…ね、あなたをつれてきてくれた人に聞いたの、どうやって知ったのかはわかないけど・・・・。あなた、『鍵』を連合に渡したんですって?」
岩で殴られたような衝撃があった。暗闇を無残に引き裂いた目が眩むような閃光が蘇る。
「あ、・・・わた・し、私!!」
私のせいじゃない!と叫びたい気持ちと、自分のせいだと言う気持ちが迫めぎ合う。
息が、出来ない。

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あきゅろす。
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