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Destiny〜if〜
10
「ローズは優しいわね。シンなんか八つ当たりしてきてるのに」
ルナマリアは腕を組み、ジロリとシンを睨んだ。
「八つ当たりなんかしてないだろ!!大体、平気だって言ったのを無理矢理ここに連れてきたのはルナじゃないか」
「ハイハイ。シン、医務室は御静かに」
「くそっ!!」
仲が良い証拠なんだろうか。常に会話が喧嘩腰である。

「シン君は別に悪気があったわけじゃないでしょ?謝ろうとしてくれていたし」
「っ!?」
「え、そうなの?」
ルナマリアがキョトンと言い。フレイは、そっと見たシンの赤い瞳が驚いて開かれるのを見てしまう。

「べ、別に……」
「ふぅん………」
ムスッと顔を反らすシン。面白そうにそれを見るルナマリア。
まるで、兄弟みたいだ。
「でも、八つ当たりは事実よね」
「それは……っ!」
実に平淡に言うルナマリアにシンは言葉に詰まった。
「ザラ隊長に直接当たれないから」
「違う!!」
激昂。
正にそんな感じでシンは言った。
「そっ?まぁ、私はどっちでもいいけど。……八つ当たりしたくなる気持ちもわかるし。」
正直言って隊長の真意が解らないと前置きしてルナマリアはフレイにシンが殴られたいきさつを話した。

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