Destiny〜if〜 4 ヴィーノが無邪気に言った言葉は、フレイに大きく響いた。 『オーブ出身』の少年が、『ザフト』にいるっ!? それは、とても大きな衝撃だった。同じ故郷の人間がザフトなんかに在籍している。 そこまで、無意識に考えてハッとする。 (今、私。ザフト“なんか”っておもった…?) 無意識下の差別。 無意識下の嫌悪。 それを、自覚した途端寒気がした。 今、仲良く話しているヨウランやヴィーノのも自分がナチュラルだと知ったら? ぞっとした。 今、いる環境を再度確認して。 「ごめんなさい。私、疲れたみたいだから部屋に戻るわ。」 「え?大丈夫?」 「送ろうか」 優しい言葉。 「ううん、大丈夫。…ありがとう」 にこりと笑って断った。 [前へ][次へ] [戻る] |