春眠(pkmn学パロ)
(ねむ…い…)
恐るべし春の窓際。
新学期に入って行った席替えで初めて座った窓際。教室の中はいつもひんやり寒かったのに今は濃紺のセーラーに日差しがさんさんと降り注いですごくあたたかい。背中や頭はむしろ暑いくらいだ。
(じ…地獄…)
心地良すぎて寝てしまいそうだった。
こんな状況をあの幼なじみたちに話せばきっと「寝れば良いじゃん」と頭にクエスチョンマークを飛ばすだろう。でも所謂優等生ちゃんな私は居眠りはおろか、欠席遅刻も恐怖。とてもじゃないけど、居眠りは出来ない。そしていくら授業中に爆睡しても学年トップをキープするタカビーなグリーンと、全部赤点スレスレ(て言うか赤点)でも「ほら、オレのなまえレッドだから…」と無表情でよく分からん理屈をこねるレッドには私のように授業を聞かないと点数が維持できない私の気持ちなんて、気持ちなんて…
ガタン!
「……っ!?」
「あら、大丈夫?」
「す、すみません…」
いつの間にか意識が飛んで思い切り傾いで机を揺らした。教室中の視線が集中して、恥ずかしくなって一気に目が覚めた。右後ろから体を揺らす音がした。
(グリーンのやつ、笑ってる!)
俯いてコッソリ隣のレッドを見れば、慈悲深い笑みを浮かべていた。レッドくん、その幼子を見守るお母さんみたいな笑顔止めてください。
結局その日の授業内容は何一つ頭に入ってない。
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