EVERY DAY
08
「げほっげほっ…ぢょっど風邪ごじらぜぢゃっだみだいで……。
……あ゙い……。寝でだら連絡遅れぢゃっで…ずみまでん…げふっ」
<本当だろーな?>
電話の相手はバイト先の先輩で今日はオフだったが、たまたまその場にいたせいで雅哉の代わりにシフトに入ることになったようだ。
「本当でふ…」
<実は女と一緒だとか言ったら承知しねーからな>
「そっそんなわけないじゃないですか!!!!」
<元気じゃねーか>
「……………
…げほっ」
<…………。
今日は代わってやるから今度俺とシフト交代な。んで何かおごれよ。>
「…あ゙い……そでじゃあ…」
最後にコンコンッとわざとらしく咳をしてから電話を切った。
「びびったぁ。」
先輩の妙に核心をついた質問に思わず慌てて答えてしまった。
「嘘つくのって心が痛むよね。」
「そうは見えないけど…。」
そう言ったのは、自分の演技に満足したのか、雅哉の顔がキラキラと輝いていたからである。
なんて気楽な男なんだろうとみずほはため息をついた。
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