EVERY DAY
05
「俺、ちょっと前までこーゆー荷物運ぶ仕事してたんだよ。」
部屋に入ってからというもの荷物の説明以外大した話もせず、二人とも黙々と作業をしていたのだが、少し時間がたったところで雅哉が話し始めた。
突然の会話にみずほの行動が一瞬止まり、雅哉の方を見て口をぽかんと開ける。
「あ、そういえばフリーターって言ってましたよね。」
荷物に向き直り作業を再開する。
「敬語じゃなくていいよ、俺らタメじゃん。」
―……………。―
「タメ!?!?」
すごい速さで再び雅哉を見る。
「え、違うのかな?俺18なんだけど…。もしかして俺よりお姉さん?」
みずほの行動の速さに少したじろぎ、またへらっと笑って聞き返した。
「あたしも18…。
じゃあさ、雅哉君も…
「雅哉。」」
みずほが話している途中だったが『君』はいらないと訂正する。
「……;;
雅哉も最近ここに?」
「んーん。えっと…もう半年ぐらいたつかな。」みずほが興味津々に雅哉を見ている間も雅哉は下を向いて段ボールから一つ一つ小物を出していた。
「高校はここから?」
「2年前に中退。それからずっと一人暮らししてる。」
ふと雅哉の動きが止まり、みずほははっとする。
―あたし悪いこと聞いちゃった…かも…
聞かれたくない話だってあるはずなのに…。―
一人悶々と考えていたが、
「みーずーほーちゃんっ」と呼ばれ顔を上げると、鼻の先が触れてしまうのではないかというほど雅哉の顔が近かった。
「っ!!
ギャー――――ッ!!」
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