EVERY DAY
09
「あの…ごめんね。」
雅哉が電話を切ったのを見るとみずほが口を開いた。
「あたしが手伝わせたから…」
バイトを休ませてしまった挙げ句、仮病まで使わせてしまった。
手伝うと言ってきたのは雅哉だったが、自分が寝なければとみずほは少し責任を感じていた。
「みずほ…
じゃあありがたく今日はみずほんちでご飯を食べて帰るよ。」
「は?」
何故そういうことに?
何故何のためらいもなくそんなことが言える?
本当にこの男は掴めない。
数々の疑問がよぎったがお世話になったのはたしかだったし結局承諾してしまうのだった…。
「それにしても嘘つくのって心が痛むよね。」
「そーは見えないけど。」
してやったりと思っているのか、自分の演技に満足したのかキラキラと輝いている目の前のお気楽男にみずほは冷たく言い放った。
夕食を作ることをOKしたものの、
先程から包丁を片手にみずほとじゃがいもとのにらめっこが続いていた。
―できないんだよねー。料理…。―
ほとんど料理ができないというのによく一人暮らししようと考えたものだ。
今日はインスタントにしようと考えていたのだが、手料理が食べたいと言った雅哉が自分の部屋から材料を持ってきてくれた。
もちろんみずほにとってはありがた迷惑だった。
ちらりと横を見ると自分の家のようにくつろいでいる雅哉がいる。
お笑い番組を見ているらしく、爆笑しているところだった。
―何者だよ…。―
だが今は雅哉よりじゃがいもである。
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