誤解[スザク(ギアス)]
コードギアス、スザクのギャグ。愛されヒロイン設定、冤罪スザク。何でも許せる方以外は閲覧しないで下さい。中途半端かも。STAGE19・神の島での話。
神の島。
ゼロがユーフェミアと鉢合わせ、ルルーシュである事を指摘され打ち明けている頃、川で水浴びをしていたカレンと鉢合わせたスザク。
驚愕するスザクに対し、カレンは一応パイロットスーツで隠してはいるが全裸のままスザクへ特効した。
隙をついてではあったもののアッサリとカレンはスザクに組み敷かれた状態で取り押さえられる。
それだけなら良かったのだろうが。
「誰かいるんですか?」
二人が良く知っている声がした。
まずい、とスザクが思ったのも後の祭り。
声の主であるライラは全裸のカレンを組み敷くスザクを見て固まった。
「……お邪魔しました。」
二人が何かを言う前にライラは踵を反した。
「ちょっ…待ってっ!」
慌てたスザクが止めるも焦りすぎたせいかカレンとの体制は変わらぬままだった。
「こっの! いい加減にどけっ。」
ライラを追い掛けたかったのはカレンも同じ。
カレンが蹴りと共に怒声を浴びせると反応したのはライラだった。
「カレン、同意じゃないの…?」
スザクはやばいと思い、カレンはチャンスと思った。
「違うっ、これは…!」
「スザクは黙って。」
「うっ……。」
再度慌てたスザクが弁明しようとするも、この場合では加害者になるかもしれないスザクの言葉はライラの低い声によって遮られる。
「同意じゃないわ! たすっ……逃げて、ライラ!」
「なっ!?」
助けて、ではなく逃げて、とは考えたものだ。
すぐに助けてと言わなかったのはライラを巻き込む事を恐れたからだと言い訳が出来る。
何故すぐに声がした時点で離れなかったのかと後悔したスザクだが、考えるより先に吹っ飛んでいた。
「グハッ!!」
スザクがいた場所には蹴りを入れたライラが立っている。
「ライラ!」
「カレン、大丈夫?」
「ええ、ライラのお陰で助かったわ。」
ライラはそう、とカレンの答えに安堵したように微笑む。
その笑顔に綺麗だな、なんて見惚れているスザクはやはり馬鹿なのだろうか。
そっと自分の上着をカレンにかけながらスザクを睨むライラ。
どうしたものかと起き上がりながらスザクは考える。
「…あっちにゼロとユフィがいるの。行きましょう?」
カレンの背に手を添えながら言うライラにスザクは大いに焦った。
「ま、待って、ライラ!」
「………。」
ライラは冷ややかな視線を送るだけでスザクを無視して歩き出す。
ゼロはとにかくユフィにまで誤解されては弁解のしようがなくなってしまうスザクはマッハでライラの腕を掴む。
が、即行で振り払われたどころかもう一発蹴りをくらった。
「っ…。って、グハァっ!」
何とか踏み止まったのに、カレンからの二発目で再び吹っ飛んだ。
「来ないでよ、汚らわしい!」
「大丈夫、カレン?」
「ええ、早く行きましょう。」
弱々しく頷くとカレンは顔だけで振り返る。
「(ベーッ)」
「くっ…この!
僕は被害者だーーっ!!!」
カレンはライラには分からぬように舌を出したのでスザクの叫びが聞き入れられる事はなかった。
それから数週間ほどスザクは最愛のライラだけでなく、主君であるユーフェミアからも無視され冷たい視線に晒される日々が続いた。
「誤解がとけるまで地獄だったよ……。」
とスザクは語ったとか。
2017.09.28.初出
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