柔らかな束縛 独占欲の表れ。 熱く潤んだそこへゆっくり指を沈めると、廻は一際大きく身体をしならせた。 片腕で枕を掴んで顔をうずめる彼女の首筋に、何度も舌を這わせたり音を立てて口付ける。 私が果たして何をしようとしているのか、彼女は気付いたようだった。 「痕、は、駄目…っ」 無論私は気にも留めず、一層強くそこを吸った。 日焼けを知らない肌に、どこか痛々しく鬱血痕が浮かび上がる。 廻はいつも、私がこうして痕を残すことを嫌がる。 毎日のようにバレー部で汗を流す彼女は着替えの機会が多く、その分これを見つけられる危険性が高いからだ。 (いっそ見つかってしまえばいいのに、なんて) 「廻、貴女は誰のもの?」 すっかり上気した頬を撫で、私はまるで小さな子供に囁くかのように言った。 「……絹華の…ッ」 「いい子ね」 肩で息をしながら素直に応えてくれた彼女に、私は満足感を露わにして笑う。 ねぇ、廻。自分の持ち物には名前をつけなさいって、幼稚園の時から言われていたでしょう? 貴女は私のものなんだから、印をつけておかなくちゃいけないの。 貴女が私のものだと分かるように。 ずっと私のものであるように。 いなくなってしまわないように。 「絹華…ッ、は?」 彼女の中で緩やかに動き始めた私の指に眉をひそめながら、廻は尋ねた。 (馬鹿ね、当然じゃない) 「貴女のものよ」 それを聞いた廻は先程の私と同じく満足げに微笑み、噛み付くように胸元へと唇を寄せてくる。 谷間を滑る舌の感触に熱い吐息を漏らした直後、ぴり、と小さな痛みが走った。 所有印 「ね…、どこにも、行かないで」 ※独占欲の強さはお互い様で。 [←][→] [戻る] |