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ハロハロ設定の二人。
出会って数ヵ月後って所のSS。








ガタンガタン…
 ガタンガタン…



朝の通勤通学ラッシュの電車内。

最近徹夜続きのエドワードは、ぐったりした頭をもたげながら辛うじて手摺りに捕まっているような状態だった。

頭も重く、力が出ない。


(あー…だる)


電車の中は涼しいが、学校へと向かう道のりは灼熱なのだろうな…と、眩しく光る車外の景色を見やった。外を歩いてるサラリーマンは、それはそれは暑そうだ。


―次はー、セントラルー。セントラルー。


電車が停車し、人がいれかわる。

ガヤガヤする人混みを意識の外に追いやろうと目を閉じると、厄介な声が後ろから聞こえてきた。


「あっれー、エドワドさんじゃないカ〜」
 

その脳天気な声に頭が更に重くなった様な気がする。
いや、じっさい頭痛までしてきた…と、片手で頭を抱えて眉を潜めながら、ヘラッとした笑顔でぎゅむぎゅむ人垣を押しのけわざわざ隣に並ぶ相手を横目で見やる。


(うっとーしぃ…)


これ見よがしにため息をついてやっても、相手はニコニコ楽しげに挨拶してきた。

いつも思うが、何が楽しくてこの男はこんなヘラヘラ笑ってるのだろうか。ていうか、何故俺にまとわりつく。

隣に並んだリンは天気がどうとか暑くてどうとか一方的に喋ってくるが、具合が悪いのも相まってエドワードはガン無視だ。なんだか、ここぞとばかりに「愛してるヨー」なんて言葉をハートマーク付きで言われてる気がするが、幻聴幻聴、ガンガン無視無視、と今にも振るいそうな拳を抑えつつエドワードは心のうちで唱える。いっそ立ったまま寝てしまおうかと考えていたが、ふとある事に気づいて俯き気味だった顔を上げた。

隣に並ぶリンを見上げる。


「そういやお前…家学校の近くだったよな。なんでここにいんの」

「あー…それはなんてゆーかネー…」


のらりくらりとした口調に、もしや女性の所からの朝帰りだったり…なんて思春期な妄想をしそうになってエドワードは視線をさまよわせる。この男は存外女性にモテるし、そんな噂もひっきりなしなのだ。

だが、そんな赤面な思春期一直線な妄想は粉々に粉砕される事となる。


「実は俺、エドワードを観察するのが趣味なんだよネ。だから実は二駅前から一緒に乗ってタ」

「………………は?」


ザッと嫌な汗がエドワードの背を伝わった。
さらっと言われた言葉にたっぷり間をとった後、頬を引きつらせながらエドワードはリンを見つめる。


「えーと、良く言えばエドウォッチング?かナ」


にこやかに言う相手に、握りしめた拳が震えた。


「…それって、ただのストーカーって奴じゃねぇのか?」

「あぁ、そうとも言ウ」

「そうとも言ウ、じゃねぇよこのボケ変態がぁぁぁぁぁ!!!!!」




具合が悪かったのが嘘のようにエドワードの拳が閃き、全力でリンの顔面にめり込んだ。


end


ブラウザバックでお願いしやす。


あきゅろす。
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