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それじゃ、またな。














一つの終った物語
主人公ですら終ったと思っていたその想いは、だがしかし、輪廻を繰り返す。















余も更けた丑三つ時。
まだ痛む体を僅かに引き摺りつつ、呼び出された鮮やかな金髪の男は笑う。


「よう、てっきりもう国に帰ったのかと思った」

「あはは、そのつもりだったんだけど…まぁちょっとネ」


それを見て苦笑ともとれる笑みを張り付かせながら、夜の帳に紛れそうな漆黒の服と漆黒の髪をもった男は僅かに首を傾げた。


「帰るのは、帰るヨ。…ただ、その前に…」


切なげに途切れた言葉を飲み込むように、互いの唇が重なる。 伸ばされた腕は、慈しむように互いの背に触れた。



―会いたかった



呑み込まれた言葉を弄ぶように、くちゅりと唾液に濡れた舌を絡めあう。



―ただ、会いたかった



しばらくの堪能の後、離された唇を金髪の男はやや乱雑に拭いながら、ニヤリとその口端をあげる。
つられるように舌なめずりしながら、漆黒の男も笑みを返した。



―あぁ、もうこれが本当の終わりなのだ…



「心残りも住んだし、もうシンへ帰るヨ」

「ちゃんと皇帝になりやがれよな。賢者の石まで持って帰んだから」

「当たり前だろ、俺を誰だと思ってル」

「へーへ。後、ちゃんと嫁さんしこたま貰え、逃げられねーよーにな」

「もうあの制度は俺の代で廃止だ、そんな沢山囲ってる暇なんてないからナ。そっちこそ、ウィンリィちゃんにちゃんと言えヨ?お嫁にきてっテ」

「!?なっ、ばっ、んなの知るか!!」

「ふふーん、素直じゃないなぁエドワードさんたラ」

「黙れリン!」

「ほらほら、夜更けなんだからバレちゃうヨ」


ちゅっと塞ぐだけのキスを落として優しく笑った。
切なさと愛しさが胸の中に満ちるようだと、笑みの裏で思いを馳せる。
ゆっくりと自分より小さな体を腕の中から開放すると、一、二歩後ろえと下がって真正面から愛しい人を見つめた。


「…じゃぁ、またナ」


「あぁ。いつかまた、な」


小さく笑った金色の瞳は、とても優しい色だった。







この後、豪語していた通りリンはシンの王となり、皇后を娶った。
黒髪の器量良しの妻は、凛として彼と国を支え子を成し生涯を共にする。

エドワードも決死の想いで告白し、その生涯を幼なじみと分け合った。
そして己の目的へと、弟と共に突き進む。


だが、けして忘れる事はないのだ。
彼の人を…。










―そして、時は巡る…









 



「あ゛―…あぢー…」

だらりと部室の椅子にもたれながら、ガラリと開いた窓から入る風を背に受ける。爽やかな風が一瞬体を冷やすものの、また室内の暑さに項垂れる…この繰り返しにもそろそろ厭きた。
外ではカンカンに照った太陽が昇り、暑苦しい掛け声とともに野球部が走る。

良くやるわ…とぼやきながら張り付く前髪をかき上げれば、金髪がきらきらと光を反射し眩しくて眼を伏せた。
その拍子に机の上の紙に目が止まり、つぃっと気だるげに持ち上げる。

「林 王、ねぇ…」

入部届けと書いてあるそれをしげしげと眺め、胡散臭げに鼻を鳴らす。

(このままシュレッダーかけたら怒られるかな…)

ぼんやりそんな事を考えながら、ギッと椅子の背もたれに体重を預けて癖のある字で書かれた入部届けを光に透かした。

(なんだか、コレとは凄く関わりあいたくない予感がする…)

第六感…とでも言うのだろうか、なんとも言えない感覚が胸に渦巻き、気分が悪い。さて、どうしたものかととうとう椅子に胡坐をかきながら考え込んでいると、遠くから自分を呼ぶ声がしたような気がしてチラリとドアへ視線を向けた。

「うぉ〜い、エド居んだろ〜。次の科学の授業の教材持ってきたからドア開けてくれぇ…」

手が塞がっていて開けられないと、疲れきった声でドアの外から友人は訴える。
弱々しい声は、きっと暑さのみではなく教材の重さにもやられたのだろう。


エドと呼ばれた彼は小さく溜息を吐き、悩みの種の紙切れをぐしゃりと握った。


end
 


なんだろコレ^p^←

とりあえず最終回後の捏造を色々考えてて、もう現代パロにしちゃえしちゃえとかマイゴッド(笑)が降りてきたから言う通りにしました。嘘ですごめんなさい厨二なだけです(ぁ)

現代の二人の軽い設定メモ

エドワドさん
科学部(仮)部長
研究馬鹿。弟馬鹿。

リンさん(林 王)
留学生。エドワドさんにベタ惚れさす予定。実はシンでは大変有名な歌手だが顔は出してないとか凄い私の趣味をぶちこみたい(落ち着k)

続くかは…マイゴッドのみ知る^p^バカス


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