「やだ…雨?」 最初の曲がり角を曲がったところでポツンと雨水が当たる。 みるまに雨は霙に、そして雪へと変わっていった。 深々と降り積もる雪。 真っ白に、灰色のアスファルトが染まっていく。 きっと、レンが居たら隣ではしゃぐんだろうな。 それで、あたしもはしゃいで、滑って躓きそうになるのを優しく受け止めてくれるんだろな。 「なんで居ないのよ、バカっ…」 自然と目尻が熱くなる。 早く帰ろう。 早く帰って温かいココアでも作って貰おう。 レンと、色んな事話して忘れようあんな出来事は悪い夢なんだ。 そう言い聞かせても、涙が止まらない。 こんな顔見せられない。 息が、白く吐き出される。 いつから好きになった? 彼氏がいた頃だって、いつも、1番に思うのはレンの事で。 お母さん達に、この気持ちがバレないように彼氏の話を楽しそうに話たりして… 深々と積もる雪。 まるであたしの嘘のようだった。 → |