愛の形
馬鹿だと思った。
コイツを置いていったアイツが。
馬鹿だと思った。
アイツを愛しつづけるコイツが。
□ □ □
「包帯グルグルで…俺、馬鹿みたいだね」
自分で言うなよ。
「これってばね、サスケが…やったんだ」
ナルトは疲れきった目をしてる。
「俺ってば…好きな人一人夢中にさせられなかった」
だからお前は馬鹿なんだ。
「俺ばっかサスケに夢中で…抱いて貰ったのとかが快感で…」
サスケが、
お前に夢中じゃなかったわけ無いだろ。
「ねぇ、シカ…」
「ナルト、」
「俺ってば、愛してたんだ」
「……あぁ」
「本気で…愛してたんだってばよ…」
ナルトは泣きながら笑った。俺はどうしようもなく、無表情のままだ。
なぁナルト、泣くなよ。俺が側に居てやるから。でもな、やっぱお前は馬鹿なんだよ。それに、俺も。
俺らは今はガキだからきっと…
馬鹿が愛の形なんだ。
end