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[跪いて愛を乞え(子ザン×大人スク)]


※子ザン×大人スクのつもり










「本日付けでザンザス、様の護衛を任された・・ました。ヴァリアーのS.スクアーロだぁ、です」


明らかに敬語を使い慣れていない目の前の男の顔には
『なんで俺がこんなガキの護衛なんか』と有ありと書いてある。

しかしザンザスにしたらこうである。

『俺だって頼んでねぇよ』

口に出すのもめんどくさく心の中で吐き捨てたが。

よろしくお願いします、と本当は頭を下げるのも不本意なのだろう、おざなりに下げた頭から長い銀糸がさらりと揺れた。


態度も目付きも言葉遣いも主君に対するそれではなかったがあの触れずとも感触が分かるような絹糸の様な髪は気に入った。







ザンザス、10歳の事である。


「う゛お゛ぉい御曹司!ちょっと待てやぁ!勝手に動き回るな!」

護衛就任二日目にしてそうそうに敬語を使うのは止めた(諦めた?)のかスクアーロは形だけザンザスを御曹司、と呼ぶ。

ザンザスはそれがいかにも自分が守られなくてはならないか弱い保護対象の様で気に食わない。





スクアーロがザンザスの護衛に付き数か月が経っていた。

過去、最長の記録だ。

早い奴は3日で死んだ。
ザンザスを庇って、である。

只でさえマフィアのドンの実子である。
それも巨大な力を持つボンゴレの、だ。

狙われる理由など掃いて捨てるほどだ。


しかしスクアーロは強かった。
数か月の間結構な数狙われたのだがすべてを返り打ちにしたその技量はさすがにヴァリアーの幹部と云ったところか。



「こーゆー誰もが気ィ抜いてるような時はマジやべぇんだって」

俺から離れんじゃねぇぞぉ

言われた言葉に下降気味の機嫌が更に下がる。

寄付集めのパーティなんぞ出なくても良いじゃねぇか
と言ったらこれも御曹司の仕事だろうとあろうことかスクアーロに言われてしまった。


渋々ながらも出席したがもう帰りたい気分である。

雲一つない抜けるような青空でさえイラつく。


「・・・もう帰るぜ」

パーティに煩わしさしか感じないザンザスがそう言うと意外にも「分かったぁ」と了承の返事が来る。
スクアーロは車を回してくるからと、言い掛け一瞬動きを止め、次の瞬間ザンザスを抱き締め地面に伏した。

直後、響く爆発音。


パーティ会場は爆風で食べ物やテーブルや椅子や割れたグラスなどが散乱しパニック状態になった。

あちこちで悲鳴や怒声が聞こえる。
死者も出たのだろうか。


ザンザスは自分に覆いかぶさるスクアーロを見上げる。

「っ!ザンザス・・・怪我はないかぁ!?」

血の、匂いがする。

血嗅はそれこそ充満しているが嗅いだ匂いは真上からきている。
ガラスで切ったのか額の切り傷からぽたりと頬に血が落ちた。


御曹司を、と部下に叫んだとたん二人の黒服が(こちらも服はぼろぼろだった)
が飛んできて車に押し込まれる。


ちらりと見たスクアーロは別の部下に肩を支えられふはふらと立ち上がる所だった。
背中は火傷で爛れていた。




























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