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――チャイムが鳴った。


「授業始めるぞ。」

「起立、礼。」

「「お願いします。」」

「…します。」


流唯君がワンテンポ遅れるのは最早恒例である。
寝起きで若干頭が回らないらしく動きが周りとズレが生じる。


それがまた可愛いと評判なのです。


「流唯ー、俺の授業なんだから起きろよー。」

「ん、…はい。」


俺様な担任だって流唯君にはデレデレである。



こいつ、俺達と流唯君の扱いが天と地程違うんだ。

今だって流唯君が素で「ん」って答えたから仕方ねぇな(笑顔)で済んだけどこれが俺だったら問答無用でチョークが飛んでくる。


「おし、じゃー田中。この問題解いてみろ。」


いや、まぁ流唯君だし別に良いんだけどもう少し他の生徒にも優しくしたって罰は当たらないと思うんだ。


「田中ー?」

「俺は今とあるA君なんです。話しかけないで下さい。」

「あ゛?」

「なんでも無いです。是非俺に解かせて下さい。」

「仕方ねぇな。解け。」



今日は流唯君も居ることにより先生の機嫌は上々であり、無事生徒に怪我人が出る事無く授業は終わった。




放課後。

流唯君は基本日向ぼっこできる、一番後ろの窓側の特等席がお気に入りでお昼寝し放題だ。

五十嵐君達はぐっすり眠る流唯君を守るように囲って愛おしそうに見つめる。
そんな夕日をバックにした絶景を帰宅部の奴らは思う存分眺め、音を立てないよう静かに帰る。

俺を含む部活組は泣く泣くその光景を目にする事無く一足先に退散。



でもたまに、


「皆じゃあね。」


とお昼寝に満足した流唯君が笑顔を振り撒いて帰る時がある。

それはSクラスへ入る為に頑張って勉強した努力が報われる瞬間だ。



生徒はコンビニに寄って明日流唯君にあげるお菓子を買って帰る。


と、まぁ俺達Sクラスの日常はこんな感じです。





あとがき
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