† とあるA君のお話
平凡1号のAです。
俺のクラスは、まあ自分で言うのはアレ何だが所謂秀才だけの集まるクラスだ。
だからなのか何かと他のクラスから孤立しSクラス独自の統一性がある。
前まではもっとギスギスした感じだったんだけど。
テストの点数の競い合いばかり考えていて下位は見下される。
そんなクラスだった。
そう、"だった"んだ。
中学までは。
Sクラスはめったな事が無ければクラス替えなんて有り得ない。
高校の入学式の日に見たこと無い人がいたんだ。
Sクラスの席に。
その人はとても綺麗な人だった。
名前は 神崎 流唯。
流唯君が来た事でクラスの雰囲気が劇的に変わったんだ。
何があったかは知らないけど、このクラスのトップの五十嵐君や東雲君、篠塚君が良く笑うようになった。
それをきっかけに皆が周りを見るようになりSクラスはこれまでが嘘だったかのように柔らかい雰囲気になったんだ。
流唯君はとても不思議な人で何か惹きつける力を持ってる。
放っておけないし、構いたくなる。
流唯君の好物が甘い物だと五十嵐君が公表した後流唯君の机の上にはお菓子が常備された。
授業中、流唯君がお昼寝をしだしたらクラスは水を打ったように静まり返る。
このように、流唯君はSクラスの皆から溺愛されてるんだ。
本人は絶対気付いてないだろうけど…。
ほら、今だって流唯君がいないだけでも教室が重い空気になる。
理由はお昼休みの終わり、流唯君を呼びに五十嵐君と篠塚君が東雲君を置いて行ってしまったからだ。
東雲君は普段笑ったりなんか絶対しない。
喋るのだって仲の良い人に限られるし、口を開いたとしてもそれは一言で済まされる。
いつも機嫌が悪そうに威圧感を放っている。
流唯君がいると別人だけど。
こういう時は誰も何も話さないのが得策だ。
「「……………。」」
はぁ。
流唯君早く帰って来ないかな。
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