『なりかわりのびじゅつひん』
黄色の女の子は、お絵かきが大好き。
たくさんのお友だちと、まいにちお絵かきをしています。
だけどある日、女の子は言いました。
「お外であそびたいなぁ。 お外には何があるんだろうね。 」
女の子は、おうちの外に出られませんでした。
パパが許してくれなかったのです。
そこで女の子は、おうちに新しいお友だちをしょうたいすることにしました。
赤色の女の子と、青色の男の子です。
お外から来たお友だちから、たくさんお外のおはなしをききました。
お外には、黄色の女の子がしらないことがたくさんたくさんありました。
「いいなぁ。 わたしもお外に出てみたい。 ねぇ、つれてって。」
黄色の女の子は、しょうたいしたお友だちにおねがいしました。
だけど赤色の女の子と青色の男の子は、つれて行ってくれません。
おいていかれた黄色の女の子はかなしくて、泣いてしまいました。
青色の男の子は、赤色の女の子とお外へ行こうとしています。
お外で、ふたりであそぼうとやくそくをしています。
でもそのやくそくに、黄色の女の子は入っていません。
なかまはずれにされた黄色の女の子は、どうすれば自分もお外に出られるのか考えました。
そして、いいことを思いついたのです。
「そうだ、わたしのかわりにどっちかがここにのこってくれたらいいんだ。」
黄色の女の子は、そう言って笑いました。
お外に出たら何をしようか、考えるだけで楽しみです。
「赤色の女の子とあそびたいな。 ずっと女の子のお友だちがほしかったの。」
そのためには、青色の男の子にはここにのこってもらわないといけません。
黄色の女の子は、青色の男の子がお外に出られないように、青色の男の子のたいせつなものをかくしました。
青色の男の子がそれをさがしているあいだに、黄色の女の子は赤色の女の子をつれてお外へと出かけます。
お外には、おうちにない色がたくさんたくさんありました。
黄色の女の子はむちゅうになって、おうちのことをわすれてしまいます。
赤色の女の子と、いつまでも一緒にあそんですごしました。
かわりにおうちにのこった青色の男の子は、ずっとたいせつなものをさがしつづけて、今もおうちの中。
ずっとずっとおうちの中。