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『骰子』と題された絵画からは□が、『不恰好なダイヤ』からは◇が手に入った。
順当に図形を揃えてジルベルトの元へ戻ると、当の本人は至極不満不機嫌極まりない表情をしてあぐらをかいている。

「あらまた随分ヒドイ顔してるじゃない。 アンタ、元は悪くなさげなのに勿体無いわよ。」

茶化し混じりに言ってみると、低い声で「うるせェ」と返ってきた。
言いくるめられたのが余程気に食わなかったのだろう、頬杖をついたままの姿勢で「一度しか言わねェぞ」と短く前置くと、簡潔に答えを述べる。



「□◇☆△○。」



…………………………………。

「ちょっと待ちなさい、理由と根拠は?」

「説明すンのめんどくせェから自分で考えろ。」

「それじゃ結局同じじゃない。 アンタを信用して任せたのよ。」

「ンならそれでいいじゃねェか。 信用してンだろ。」



負けた。

正論に反論する余地を掴めず、この口論はジルベルトが制する。
間違っているかもと疑っている訳では無いが、その答えに納得できる理由が欲しいと思うのは当然の事だろう。

そんな事を考えていたら、いざ置く時には教えてもらった答えを忘れてしまっていた。

「…………あれ、順番どうだったかしら?」



……………………………………………。



気まずい沈黙が流れる。
最初に一度しか言わないと明言したのを覆すつもりは無いらしいジルベルトは、呆れた目を向けているも口は開かない。

結局自分で解かなきゃならない訳ね。

遠い目で視線を泳がせて一瞬現実逃避に走るが、ずっとそうしている訳にもいかない。
諦めて心を決めると、出っ張りに書かれた謎の文章と向き直った。



(クロスワードパズルと一緒で、解る所から埋めていけばいいのよね。)

となるとこの文章の場合、順番が確立されているのは2番の出っ張りに書かれた“真ん中には☆”の☆になる。
天上から突き出ている3の柱に☆を嵌めて、次の場所を定める。

(“○と△は隣り合わせ”と言うことは、この二つはセットで考えれば良いわね。
 ただ“☆と○は離ればなれ”って所を見ると、○は1か5のどっちかって事になるわ。 さて、どっちかしら……。)

一呼吸置いて残りの文章を読むと“□の前には何もない”が目についた。

(……これは□が1番って事でいいのかしら。 となるとセットになる○と△は必然的に4番と5番になるから…。)

4の柱に△、5の柱に○を置き、残った◇を空いている2の柱に置く。



1:□ 2:◇ 3:☆ 4:△ 5:○




ガチャ





お約束の鍵の開く音が響き、解答が正解だった事を示した。





→ 「37」


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