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4×4の、最もポピュラーな15パズル形式。
この場合色だけ見れば単調な感じではあるが、その分難解という見方もできる。
同じ様な模様ばかりの場合、何と何を合わせれば良いのかで苦労するからだ。

元の姿を知らないパズルを完成させるというのは中々骨が折れる行為だと思う。
ミルクパズルと違って『模様を合わせる』事が出来る分、指針があるためまだやりやすいかもしれないが。



(こういうのって、確か一番上から揃えていくと良いのよね。)

人並み程度にしか経験が無いものの、それでも最低限のセオリーくらいは把握しているつもりだ。
そこまでピースの数が多いわけでもなし、何とかなるだろうととりあえず動かしていく。

端に来そうな部位を探して最上段の左端へ、後にそこから模様の合いそうなピースを片っ端から合わせていく。
うまく合えばまた次を合わせて、の繰り返し。 それさえ続ければ、動かせる範囲の広い最初は適当でも割と揃っていくものだ。

何とか上二段を揃えて、ここからが正面場である。
詰む人間は、ここからいつも心が折れてしまうからだ。



三段目を揃えていくと、案の定最後の段がバラバラになってしまった。
最後に来るべきピースが一番前に来てしまっている。

(こうなると、また三段目をバラさなきゃいけなくなるから嫌なのよね……。)

細かく考えずに適当にかき混ぜようとした時だった。



「まず一番下を全部右に寄せろ。」



それまでずっと何もせずに見ているだけだったジルベルトが、急に口を挟んできた。
驚いてそちらを見やると、あぐらをかいて頬杖を付きながら「さっさとしやがれ」と急かしてくる。

「さっきから見てたら要領悪いンだよ。 指示してやるから早く終わらせろ。」

「だったら最初からアンタがやれば良いじゃない。」

「めんどくせェッつったろうが。」

何とも鼻持ちならない物言いだが、さっさと終わらせたいのはギャリーも同じである。
溜め息で我慢して言う通りに最下段を右に動かすと、新たな指示が飛んできた。

「開いた所に三段目を下ろせ。 次にその右のヤツを一つだけ左に寄せろ。
 そこに下のヤツを上げたら、後は下二段をまとめて時計回りに三回ずらせ。 そこまでやりゃもう解ンだろ。」

指示通りに動かしたギャリーは盤面を見て「あ」と短く声上げた。
確かにここまでこればもう解る。 ギャリーはそのまま最下段を二ピース左に寄せると、上から一つ下ろして三段目の整理をした。
最後に右端のピースの上に上げると、一つの絵が仕上がった。





「完成した……アンタ凄いじゃない。」



素直に賛辞を贈ったが、当の本人は「オマエが馬鹿なだけだ」等と憎まれ口を叩いてくる。
ハイハイどうせアタシは馬鹿よと同じ調子で返してみせると、





バシュッ





もはや聞き慣れてしまった音と共に、足下に新たな文字が浮かび上がった。
かと思うと、その下にパネルのような物まで姿を現した。





→ 「33」


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