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体育の先生が、この嘘だらけの名簿に文句をつけないわけがなかった。体操はいいからここに四列で座れ。その声で、普段騒がしいあたしたちはしんと静まって整列した。

「女子十八人中、見学が十三人ってどういうことだ?」

プールの中ではすでに男子が泳ぎ始めていて、さみーだのつめてーだの、賑やかな声や水飛沫の音が聞こえる。面白いほど対照的に、プールサイドには沈黙がおりて誰も何も言わない。あたしと古賀ちゃんとその他水着の子たちは、巻きタオルを巻いたまま体育座りをしている。先生はジャージの女子を見下ろして言った。

「本当に入れない理由があるなら仕方ないけどな、やる気がないなら帰れ。そんな奴らにやる評定も何もあったもんじゃない」

愛海ちゃんはこの事態を見越したように、みんな見学ならやっぱり保健室に行くと言ってここにはいなかった。すると矛先は自然と定まってしまう。

「生理って言えばわからないと思ったのか。小野田は、この間も見学してただろ」

やっぱり先生は早紀ちゃんの名前を呼んだ。早紀ちゃんは今にも泣きそうな顔をしている。唇を噛み締めて、何も言わない。露出した肩が冷たくなっていくけれど、身じろぎ一つ出来なくてあたしは二の腕に鳥肌をたてながらじっとしていた。





















































あきゅろす。
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