ネタ投げ込み部屋

タグ処理をものぐさったネタ置き場。
不定期・ジャンルごっちゃ。

2022.11.27(日) 14:54
合流前/エリオスR

 ジュニアは大人っぽいコーデをしたかった。エリチャンにその旨を記載したら、ありがたくもディノが付き合ってくれた。
「大人」の定義は千差万別。ディノは「大人=おじいちゃん」だから十代のジュニアは着こなせない。善意で見立ててくれたけど、ジュニアは見る間に落ちこんだ。
「やっぱりこういうのって年が近い人からアドバイスを貰ったほうが良くない?」
 ディノは元気づけるように助言する。
「一理あるけどあのDJにだけは絶対頼りたくねーな」
「店をリストアップしてもらうくらいはいいでしょ。なんだったら俺から聞いてお…ん?返信でも来たかな」
 二人の端末がピロンと鳴ったのでディノは切り上げて読んだ。
「ディノが仲介しても頼りたくないぞ」とジュニアも嫌そうに画面へ目を落す。
「お、マリオンからコメント来てる」
「うっわマジか!?マリオンから直々にコーデされるのか!?」
 タイミング良いなと呟くディノの横でジュニアは小躍りしそうなテンションで端末を凝視している。
「マ、マリオンと、か、買い物に行くとか、夢じゃないよなっ」
 相手方からのお誘いにジュニアは自分の頬をつねった。痛い。現実。
「やばいディノどーしよ、マリオンが来るって」
 嬉しさにディノと端末を交互に見ている。憧れている人物が同行してくれるのだからジュニアの喜びようは想像つく。しかも年が近い者同士ならば、年の差があるディノは「ここからは十代の二人だけで行ってきなよ」と見送ることにする。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!いてくれないと困るっ」
 服を掴まれて引き留められた。
「困る?二人きりにしとこうと思ってるんだけど」
「気遣いはありがたい。でも一応、意見を聞かせてほしい。(チーム内でまともの)大人なディノの視点とかさっ」
「あー、なるほどねー。俺で良ければ」
 頼ってくれるのは始し嬉しいけれど、含みがあったように聞こえたのは気のせいか?
「そ、それでさ」
 首を傾げるディノの前でジュニアはそわそわと落ちつかない。
「今のうちにマリオンと買い物に行くための服を見立ててほしいっ」
「ちょっと待ってジュニア、大人の意見じゃなくて一般的な意見として言うけど、それは今考えなくていいんだ!」
「そ、そうか。ディノが言うならそうなのか…」
「言っておくが一般論だからコレ。ジュニアに必要なのは冷静さだぞ」
 気持ちが前のめりになってることを忠告すればジュニアは素直に聞き入れた。
「確かに今のオレははしゃいでいるよな。忠告サンキュー」
(なんか思春期の子供を見守っている気分…そういえばジュニアは思春期真っ只中だった)
 冷静さを欠いてしまうのもきっとそうだ。

「…でもやっぱり念のためにさ」
「マリオンと合流するまで深呼吸しよ?」
 ひとまず最後まで見届けようと思う。
 
end
(推し相手じゃしゃーない、と勝手に思っている。)

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2022.10.30(日) 12:49
司令室にてA/エリオスR

 パトロールに出ていた複数のヒーローがタワーに帰ってきた。
 報告はペアでも片方のみでも問題はなく、それを済ませたヒーローは自由行動を取り、司令は彼らの所在を確認する。
 司令が強化プランを考えていたら、ドーン!と扉を開けて若いヒーローが飛びこんできた。
「司令ちょっといいか、パトロールの組み合わせにバリエーションをもたせようぜ!」
「急に来てすいません司令。アキラがどうしても言いたいことがあるって」
 勢いよくアキラが入室し、その後ろをウィルが謝りながらついてくる。
「パトロールに慣れてきたし、たまにはサウス以外と組んでみるのもアリだろ!チームワークが大事ってなら他のセクターとも交流しないとじゃん。
 ちなみに俺の希望はイーストで!!」
 アキラは名案とばかりに提言する。イーストにはスーパーヒーローが在籍しているので、アキラが真っ先に挙げるのは彼らしいとウィルは思った。
 司令も同じことを思った。けれども即OKするほどルーキーに甘くない。
 「え当面のペア分けは決めてあんの
 「連携をとれるように一定期間は同じ相手で、ですか。チームワークを培うのに必要なんですね」
 片や不満を露わにし、片や納得している。反応が対称的な二人だ。
「しかも次からはルーキー同士って、まさかレンと組めってことか。あいつとはやりにくいんだよな...」
「オレは二人で行動してしくれた嬉しい。ちょっとでも会話してほしいんだ」
 片や苦い顔をし、片や郎かに賛成を示す。幼馴染みへの感情が対称的な二人である。
「同じノースならガストの方が話しやすいんだけどさ」
「アキラ。彼だけはやめてほしい」
 アキラの希望にウィルは真顔で止めた。過去に何があったんだってくらいに対称的な二人だった。

end
(幼馴染み特有の距離感!)

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2022.09.10(土) 15:12
司令室にて@/エリオスR

(※エリアLv5のペーペー司令)

「まさか令室でビールが出るとは思わなかった」
 あり得ない状况にキースの目がわずかに見開かれる。
 キースを呼び出した新任の司令はビール片手に立っていた。
 飲酒についていよいよお叱りがくるかと身構えていたのに、なぜかアルコールを用意されていた。
「オレが言うのもアレだけど、勤務中に酒をふるまう司令は聞いたことないんですがねぇ」
 キースは戸惑った様子でしっかりとカップを握っている。差し出されたからには受けとらないと失礼だ。酒を前にしたキースに断るの文字はない。
「ビールなんてよく持ち込めましたね。未成年もいるし、ブラッドやオスカーに見つかったらどう言い訳して…あぁ、テイクアウト用の袋に入れたのか」
 執務机に持ち帰用の袋が置いてある。中身が見えないタイプで、司令がご飯を買いに出たついでにビールを買い足したなら、誰も持ち込んだのに気付かない。
(カモフラージュしてまで用意するのは、向か裏があるんじゃないのか?)
 勘繰ってしまう。面倒事を持ち込まれる気がする。体力や気力を削るのだけはやめてほしい。
「今この場で飲んじゃっていいですか?持ち歩くわけにはいかないでしょう」
(すぐに飲み干して、即退散しなきゃな)
 用事を押しつけられる前に退室したかった。
 だが相手は司令。パトロールの指示などでどのヒーローが待機中か把握している。
 手が足りない時の助っ人を呼べる。
「司令ー。注文していたソファが届きましたよー」
 扉の向こうからジャックの声がする。「ソファ…」とキースの途方に暮れた呟きを添えて。
「やっぱりビールは手間賃だったか…」
 司令室に大型家具を設置するたびにヒーローの手を借りている。今日も新しい家具が来るから、キースに白羽の矢が立った。
「受けとった以上は手を借しますがね、今回だけですよ」
 とは言うものの、後にもアルコールをちらつかせられたキースは嫌々ながら手伝ってくれた。
「受けとらなきゃ失礼だろ」
 突っ返す選択はないらしい。

(プレゼント用にビールがあるからね!あげなきゃね!)

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2022.07.31(日) 07:43
モテたい。/セブスト

 謎の光に導かれた者達は、アルフ達と原因を突き止めるべく行動し、光に導かれて帰っていった。
 その後の話である。
「ラビィ。毛がすごくボサボサしているよ」
 シエラの前にいるラビィは、強風に転がされたみたいにボサボサだ。
「帰る前にもう一回ってスゲー撫でられた」
 喋る兎に興味を持った女性陣に、名残惜しくモフモフしていった。尻尾もポンポンされてボサボサだ。
「自慢の毛をごっそり抜かれそうなくらいモフられたぜ。どっかハゲたりしてないよな?」
 心配する兎に無重力少女は怖々と見やる。
「見た感じ大丈夫そうだよ。シエラが整えてあげる」
「助かる。いい感じに仕上げてくれな!」
 ラビィとシエラはブラシを取りに行く。
 その様子を二人の青年が見ていた。一人はバンダナを巻き、もう一人はピンと立った耳が特徴だ。
「聞いたか、レイジィ」
「聞いたぞ、クラン」
 二人は確認しあうと、神妙な顔つきになった。
『やっぱりマスコット系は女子ウケがいいな』
 異世界から来る女子を見ていく内に気付いたことがある。
 人語を話す動物はモテる。
 撫でたくなる毛並みもあれば好感度は高い。
「俺の耳に食いついてもいいのに」
 レイジィは青い毛並みの耳をピコピコと動かす。ケモ耳に興味を持ってほしい。
「よく考えてみろ。男で青年の耳はハードルが高くないか?」
 クランの言葉にレイジィは想像し、渋面を作った。
「俺が触る側に立つと難易度は高いな。よっぽど気心知れていなきゃできない」
「いっそのこと考え方を変えよう。モフモフさじゃなくて女子が好きそうなモノを取り入れるんだ」
「つまり、お菓子系か?クッキーやマシュマロのニンジンに食いつく子もいるし」
「人気のあるケーキとかどうよ」
「いいなソレ!次はソレで行こうぜ」
 盛り上がったのも束の間。改めてケーキを思い浮かべるも、二人は首を傾げだす。
「ケーキ風ファッションてどういうのだ?」
「うーん、苺を被るとか?」
 二人が熟考して出した答えは「着ぐるみ?」「仮装?」になった。
『何か違うよな…』
 モテから離れている気がする。モテるって難しい。

(魔物にはモテモテなのにね/マイペボイス)

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2022.06.12(日) 15:21
ぬい/セブスト

 裁縫職人のネフィムは今日も縫い物に勤しんでいる。仲間の服が戦闘で解れるたびに手直しするし、装飾品を拵えたりする。
 それ以外にも、チクチクと縫っていた。
「ネフィムさん、今日はぬいぐるみを作っているんですか?」
「季節衣装を着た子達をモデルにしてるのさ。気合の入った恰好を見てたら作りたくなってね」
「そうなんですか。完成が楽しみです」
 型紙からきっちり起こしてしばらくチクチク縫っていた。一体できたらモデルになった子へ渡し、また型紙から作っていく。
「あんたとこの子にも作ってみたよ。直接渡そうとしたけど見当たらなくてね、渡しておいてくれないかい」
 ヴァルハイトのところにも一体来た。
「ありがとうございます。大切にしますね」
 経緯から察してこっちにも来るだろうなと思っていたので笑顔で受け取った。
「さて。当人はどこへ行ったのやら」
 行き先を知る人はいないか歩き回れば、見慣れた青毛がこっちに向かっている。
「ヴァルハイト隊長。やっと副隊長を見つけました。出るなら一声かけてほしいです」
「ちょっと幻晶獣戦に同行してただけだよ。ところで隊長、それ何?」
「ネフィムさんがアマドゥスにと受け取っておきました」
 合流できたことでヴァルハイトはモデルになったアマドゥスにぬいぐるみを渡す。
「これハロウィンの時の俺だね」
 猫耳を付けたハロウィン仕様である。
「大きい癖毛もしっかり再現してますね」
 アマドゥスからリオンへ順繰りに眺め、アマドゥスに戻っていく。
「ネフィムさんが言うには装備品として使えるそうです。何かしらの効果が出るかも、とのことです」
「へー。どんな効果があるか一日装備してみよっと」
 アマドゥスは言うなり走り出した。
「副隊長どこへ行くんですか!?」
「せっかくだから衣装も変えてくるよ」
「そこまでしますか!?」
「チュリエさんに言えば用意してくれますよ」
 そんな感じで一日が過ぎていく、かのように思えた。リオンだけはそう思っていた。
「……ヴァルハイト隊長」
 自分を呼ぶ声に覇気はなかった。
「おや。リオン、お疲れのようですね」
 リオンはげんなりした顔で首を傾けている。頭の重みで傾いでいた。
「頭に乗っているのは、まさかと思いますが」
 頭上に見たことのある物体が乗っかっている。
「はい。ネフィムさんが付くったぬいぐるみです」
 リオンはげんなりしたまま答えた。ほんの数時間前にアマドゥスが持っていたぬいぐるみが、なぜかリオンのもとにいる。
「背中に何かがよじ登ってきたので、確かめてみたら、副隊長のが」
「なるほど」
 状況としてはホラーじみている。実際にリオンも恐怖を感じたものの、頭の上で寛ぎはじめて怖さよりも疲れが出た。
「アマドゥスらしい自由さですね。これがネフィムさんの言う効果でしょうか」
「それなら綱か何かで繋いでほしいです」
 ぬいぐるみにまで振り回されるのは勘弁願いたい。

(あのボイス付き人形、アマドゥスは動きそうで)

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