ネタ投げ込み部屋

タグ処理をものぐさったネタ置き場。
不定期・ジャンルごっちゃ。

2022.05.15(日) 08:07
MC御行と藤原/かぐや様

 生徒会室に備えつけられた液晶テレビに映るのは、ラッパーに紛した白銀会長と藤原書記。立ち会うのは男装中の早坂とかぐや。
「アニメになると俺らだけじゃなくて、周りもすっごい動くんだな」
「すごいですよね!公園がぐるぐる回ってましたよ!」
 二人はアニメ版のかぐや様を観ていた。今はラップ回が流れている。
「ドローン演出も良かったな。アニメ映えな動きだ。...おぉ!EDも凝ってるじゃないかっ」
「ぬるぬる踊ってますよ!いいなー私もミコちゃんと踊りたいですっ」
 アニメはエンディングに入った。内容はぼかすが生徒会およびゆかりのある人達が出演している。
 ラップ回に合わせた特別バージョンに二人は見入っている。
「...ふむ。なぁ藤原書記」
 アニメが終わったあと、白銀は両手を組んで向かを思案しだした。
「どうしました?もしかして、画面酔いとかしちゃいー」
「ブレイクダンスって踊れるか?」
「...ひぇっ」

(もし会長がアニメを観たら、触発されちゃうのでは。そして巻きこまれる書紀ちゃん)


コメント

2021.11.27(土) 07:16
にんじんガーデン/セブスト

 ラビィの日課は“にんじん”畑のお世話である。冒険先で発見した種やショップで交換した種を植えては食べている。
「畑お手入れは楽しいですね!」
 この日は麦わら帽子を被ったセプティムが手伝いに来てくれた。
「このナスにんじんは食べ頃じゃないですか?」
 見た目にも十分に育ったナスを掘り出す。形も色もナスだけど、味はにんじん。これはにんじんの一種である。
 ラビィのご飯であり、料理スキルのある仲間が調理する食材にもなる。
「どれどれ出来映えをチェックしないとな……うんめぇ!ばっちり食べ頃だぜ!」
「美味しくできましたね。このまま収穫しましょうか」
「おうよ!」
 セプティムが一緒だと畑仕事は和やかに、スピーディーに進められた。

 ある日、イチゴにんじんの種を入手したので植えることにした。その矢先に真っ赤な人影が走り寄ってきた。
「イチゴの気配に参上!」
「嗅ぎ付けるの早いだろ!」
 イチゴが好きすぎて全身甲冑をイチゴに染めたイチゴ戦士が駆けつける。
「イチゴのことなら任せて。美味しいイチゴに育てる自信があるから!」
「わ、わかったから!巨体でにじりよってくるなっ」
 ラビィの何倍もあるワイルドスロゥに迫られると怖い。イチゴが絡むと凄みが増して怖さも倍。
「い、イチゴにんじんはお前に任せる。いいか、この畑はにんじん用だからな?イチゴを植えたりするなよ!?」
「わかってるとも。イチゴの変わり種と思ってお世話するから心配しないで」
「だといいんだけど……よし、こっち半分はカボチャにんじんにする。そっち半分は任せたぜ!」
 こっそりイチゴとすり替えられては(経験値的にも)勘弁して欲しい。イチゴ戦士が関わる時は敢えて、半面に別の種を植えて見張ることにした。

 別の日、種の交換でショップに来た。
「チョコにんじんならデザートにも使えて便利なんだよね」
「それよりこっち!ラビィにおばけにんじん食べさせてみようぜ!」
「オレを味見役にするなよ!ちょっと気になってるから幾つか欲しいけどさ」
「結局は食べるんだ……」
 アルフの苦笑を聞きながらラビィはいそいそと、仲間が口にしていたチョコレートとおばけの種を交換した。
「「とっくりにんじんは!?とっくりにんじんも作ろうよ!」」
「酒飲みの声は聞こねーなー」
 一部からの熱い要望にラビィは耳を塞ぎ、うきうきと畑へ戻った。
「さぁて一仕事といくか」
 腕捲りの仕草をし、慣れた手つきで畝を作る。種を植えて土をかぶせる。
 20株分を手際よく植えたらあとは水を撒くのみ。
 なのだが、それで終わるほどラビィの周囲はほっとかない。
「上半分におばけにんじんを10個植えたのに、2個増えてるんだが……」
 畝の間に2株分の土が盛り上がっている。ハロウィンに使わそうな帽子を土からはみ出させているので、何が埋まっているか見当がつく。
「ユーユとレイレイは隠れんぼ中でしゅ〜」
「ここに隠れさせてもらってますー」
 土の中から顔を出したのは某副隊長が連れてきたオバケ兄弟。
「畑は遊び場じゃないんだけどよ」
 種を掘り返されていたらどうしようと気が気でない。
「少しだけいさせてほしいでしゅ」
「あとで元に戻すです」
「えぇ、事後承諾じゃんか……」
 畑はどうしてこうまで一筋縄でいかないのだろう。
「「モモにんじんの種を拾ったのであげましゅ〜」」
「……今回だけだぞ」

(セブスト始めました)

コメント

2020.12.31(木) 12:53
お風呂/ブーツレグ

 先日、鍛冶屋の女の子が居候になりました。
「エリオ(居候)がなぜか家主の俺の意見を聞かずに話を進めるし」
「仲間が困ってるなら助けるものだろ。この家は使ってない部屋が多いんだし」
「そ、そうだけど。だってマサムネは、女の子だしさ」
 ゼンが口をもごもごさせて何かを言いにくそうにしている。
「洗濯物ならマサムネが自分でやるみたいだが?」
 家事は分担しているものの、配慮しておくこともある。
「俺としては有難いよ。それじゃなくて」
「お風呂、先に使わせてもらったよ」
 ひょこんと件の少女が髪を拭きながらやってきた。
「ま、マサムネ!」
「どうしたのゼン、そんなに驚いて?」
 不思議そうに首を傾げる少女へ、眼鏡の少年がこれ幸いにと黒髪の少年を指した。
「ゼンがマサムネに言いたいことがあるらしい」
「調理器具でも壊れた?」
「いやまだ現役だから」
 両手を振って違うのポーズ。このまま流れで言ったほうが気を使わずに済むかもと思い、だけど言いにくそうに口をもごもごさせた。
「お風呂はさ、リリイねえちゃんのとこで済ませません?」
「どうして?お風呂に入るだめだけに人様のお宅に上がれと?」
 マサムネの疑問を伴った正論にゼンはぐうの音も出ない。
「同い年の異性が自宅の風呂に入っているのが気になるんじゃないのか?」
「俺の言いたいことを代弁してくれてありがたいけどっ。でも不用心じゃないかって思ってて」
 エリオがはっきりと言ってくれた(気付いていたならもっと早く言って欲しかった)おかげでマサムネは納得してくれた。
「なるほど、それもそうだね。でも私がいるのを分かって脱衣場に入っくるようなことはしないんじゃない?」
「しない、絶対しない」
「俺もしない」
 男子コンビがコクコクと首を振ってみせる。今後も覗きの類いはやらないとこの場で言質が取れたなら、それで十分だと少女は思った。
「気になるならつっかえ棒でもしておくよ。私が用意しておくから」
「できればそうして欲しいな。これで安心できるし」
「良かったな、悩みの種が消えて」
 ゼンが安堵したのを見てお風呂の議題はお開きになった。

「とうことがあって」
 その日に挙がった議題についてエリオはおつかいついでに話した。
「ふーん。別にお風呂くらいいくらでも貸すよ。もしもお風呂が壊れた時は遠慮なく入ってって」
 リリイがにっこりと笑う。彼女の寛容さにやはり頼れるのはご近所さんだなと思う。
「マサムネちゃんの長い髪は洗いがいがありそうだし」
 洗髪に楽しみを見出だすのは女子らしい。
「その際のお礼はゼンの髪を洗わせてくれればいいから」
「本当に好きだね、黒髪」
「日本ならではの黒は滅多にお目にかかれないからねー」
「それとなくアイツに伝えとくよ」
「よろしくね」
 嬉しそうに見送る彼女を背にエリオは居候先へと戻ってく。
「お世話になってんだから一回くらい付き合えばいいのに」
 予想ではあれこれ理由をつけてはぐらかすだろう。もし議題に挙がったとして、意見はできてもゼン自身で決めるしかない。
「先延ばしてたらリリイさんが力ずくで風呂に引っ張りこんでも知らないぞ」
 業を煮やした近所のお姉さんが想像せきる。逃げようとする少年も容易に頭に描ける。
 ゼンの走力ならリリイを振りきれそうだが、追走できる人間が加勢すればいい。
「その時が来たら俺が捕まえる側になるけど」
 仲間が困ってるなら助けるべきであるが、状況による。

(お姉さんと一緒・お風呂編を期待してるんですがまだですか)

コメント

2020.11.22(日) 14:44
彼方の英雄たち。/葬送のフリーレン

 思い出にかすりもしない場所で白いマントが翻る。
 英雄譚に名を連ねた若者は、僧衣の男を見つけた。
「ハイターじゃないか。久し振りだな」
 彼は数年ぶりの再会を、あたかも街中でばったり出会した、ような口振りで笑った。
 10年間も旅をして見慣れた顔つきに、僧衣の男ことハイターは思わず頬を緩める。
「26年ぶりですかねヒンメル。お変わりないようで何よりです」
 ハイターも笑い返し、ヒンメルとの再会を噛みしめるよう、あえてゆっくりと歩み寄る。
 体の動きは軽やかだった。ほんの少し前までは歩くのも難儀していたのに。
 在りし日のヒンメルがいるからハイターも当時の体力が戻っているようだ。その理由を2人は解っているし、それを口にするのは無粋であるのも悟っていた。
「お互い、もっと老けていたのに」
「こちらの方が馴染みがありますから、影響を受けたのかもしれませんね」
「それは、ハイターにとって僕のこの姿が一番イケメンだと思っているからかな?」
 ヒンメルが自信たっぷりに髪をかきあげるのを眺めたハイターは、「印象深かったんですよ。あの10年間は特に」と大人の対応をして彼の隣に立った。
「26年か。思ったより長いな……」
 ヒンメルが遠くを見つめながらしみじみと呟く。
 ハイターも同じ方向を見てみるが、色彩の薄い風景ばかりしかなく、記憶にない場所と相まって面白味はない。
「ひと月とか、半年ぶりに会ったって感じがするよ」
「私もです。26年なんて私の勘違いな気がします」
「フリーレンはこんな風に時間が流れているのかな」
「おそらくは。そうそ、彼女に弟子ができましたよ」
「フリーレンが?」
 ヒンメルの瞳が少し丸く見開かれたのは驚きではなく、喜色に染まっていたからだ。
「そうか。うん、良かった」
 喜びと安堵を瞳に浮かばせる。声も表情も同様に。それはハイターの記憶に合致していくみのだった。
 10年間の旅路を追想できるような、実に思い出深い反応だった。
 僧侶は青年と同じく良かったと思っている。
 魔法使いに弟子がついたことと、それを心底喜んでいる勇者に。
 変わっていくフリーレンに変わらないヒンメルに、ハイターは心底安心した。
(きっとアイゼンも同じ気持ちでしょう)
 ドワーフの戦士は今頃フリーレンと合流しているだろうか。それとも別れた後だろうか。時間の感覚が曖昧なこの場所では体内時計が狂いっぱなしで判らない。
 これはこれでフリーレンの目線に立てた気がして、悪いものじゃない。
 そう思ったハイターはヒンメルに言ってみた。
 彼ならすんなりと共感してくれる。
「だね。フリーレンに会ったら貴重な体験だったと言っておこうか」
「いつか」や「きっと」など言わない、ヒンメルらしい言葉にハイターは大きく頷いた。
「その時はお土産を持ってきてくれたらいいのですが」
 元気な姿を見せてくれればお土産は無くてもいいが、気を利かせて持って来てもいい。確率は低そうだが彼女の心境は直前まで判らないものだ。
「もしかして酒が飲みたいのかい。ハイターは相変わらずだな」
「再会を祝って麦酒や葡萄酒で乾杯したいじゃないですか」
「乾杯する分にはやぶさかではないよ」
 ヒンメルも祝い事ならばと歓迎した。
「できたら僕はルフオムレツも一緒に味わいたいものだ。ご無沙汰だし」
「アイゼンは酸っぱい葡萄でしたね。フリーレンが覚えていたら、もしかしたら用意してくれるかも」
「そして彼女が集めた魔法を見ながら頂く、と。きっと楽しいだろうな」
「2人の思い出話も聞きながらを加えておきませんと、酒の旨味が増しますから」
「生臭が過ぎるぞ。でも、それはいいね。思い出といったらハイターの思い出話を聞かせてくれないか」
「かまいませんよ。とはいいますが、26年分もあるので、どこから話しましょうか」
 困った様子のハイターにヒンメルは「まずは直近の話しからでいいんじゃないか」と助け船をだす。
「もしくは、これをまず話したいってのがあるなら、そこからでも僕は聞くよ、ハイターの気が済むまで。時間はたっぷりあるんだしさ」
「ですね……それならまずは、フリーレンの弟子について先に話しておきましょうか」
 僧侶の長い語りを、勇者は口元を綻ばせながら耳を傾けた。

(勇者一行全員と会ってほしいです)

コメント

2020.10.24(土) 11:30
妥協案/錬金術師の密室

 第三合同庁舎の地下には錬金術師のラボがある。
 室長のテレサはもろもろを経て部下を一人得られた。堅物で遠慮がないけれど、それを差し引いても評価できる部分がある。
「これでエミリアちゃんが女の子だったら私の研究室は華やかになり、酒も美味くなるのに。
 だがこればかりは仕方ない。アレを扱えるのを考えればプラマイ0にしといてあげようか」
 テレサは上機嫌にワインのコルクを開ける。
 今の時刻は朝。この時間帯に飲酒するのは庁舎内で彼女ひとりだろう。
 そんなダメ人間っぷりを知るエミリアは、このラボへ転属した日に職場環境を正すべく動いた。
「この空き箱を使わせてもらいますね」
 部屋の隅にしっかりとした造りの空き箱を手にする。「使ってもいいが、きみの椅子としてか?」とテレサは不思議がっているのに答えず、目に付いた酒瓶を取った。
「まずはこのラボの片付けをしなくてはいけませんから、僕の目に届く範囲に酒類を置かないでください」
「そ、そんな来ていきなり箱に入れるなんてあんまりではないか!?」
 テレサは驚愕して立ち上がった。
 必死の形相でエミリアに接近するも、彼は行く手を阻むようにカードを切った。
「先生は僕に禁酒すると約束してくれたじゃないですか」
「う、ぐ。確かに言った。だが箱に入れるほどのことでは」
 出されたカードにテレサはエミリアが目の前にいても、彼から箱を奪えずにいる。歯痒い思いで詰めこまれていく酒瓶を見つめるしかなかった。
「一つ聞くが、その箱はどこへ保管するのだ?なんだったら私が管理してもよいぞ」
 テレサは本などでごちゃごちゃしている一角を片付けてみせる。
 片付けた荷物は他の荷物に置かれ、エミリアから見て安定性に欠けていた。安心して管理させられない、ということも。
「これはラボの外に出しますよ。どこにとか、具体的な場所は言えませんけど」
「本当にどこへ持っていくのだ!?」
 テレサは美しい顔に焦りの色を浮かべている。思わず箱を奪取すべきか考えたが、彼女の頭抜けた思考力が閃いたことで冷静になれた。
「エミリアちゃんは勤務中に酒を飲むなと言っていたな?」
「えぇ、言いましたね」
 エミリアはテレサが落ち着きを取り戻したのを胡乱げに見返す。
「先生がお酒で失態したら僕がフォローしなくてはいけないじゃないですか。
 そういう場面には出会したくないしたくないんですよ」
「ほんっとに遠慮がなくなったな。そこはきみの長所かもだが。
 だけどな、酒は錬金術の研究において不可欠なのだよ。つまりは私の手元に置いて然るべきなのだ」
「手元にあったら飲むじゃあないですか。分別をつけましょうよ。
 勤務外なら僕はあれこれ言いませんし」
「ふむ、そうか。勤務外に、分別をな」
 エミリアからある言葉を引き出せたことで、テレサは勝機を見込んだ。
「では、休憩中の飲酒はよいのだね。やはりランチは可愛い女の子からの給仕が格別ー」
「昼休憩も勤務のうちに入ると僕は考えていますが」
 エミリアが微笑みながら豚切ってくるのでテレサは「く、なんという屁理屈!」と地団駄を踏む。
「一般論ですって。それに、勤務後の楽しみと思えば余計美味しく感じられるでしょう」
「む、一理あるから否定できん。実際に楽しみにしているし。
……ならば、あれはどうだ、お菓子はいかがかね?
 思索する上で糖分も摂れるし、ああいうのは風味付けていどだからな。私は酔わないぞ。本当だぞ」
 テレサは甘味を挙げて妥協の体をとる。ごね続けるより、いかにしてがっつりアルコール入りのチョコやケーキを持ち込めるか考えるべき、と思い至った。
「確かに、そうですね。量もたかが知れてますし」
 妥協案にエミリアは少食気味の細い顎に手を添えて思考する。テレサはそわそわしながら可否を待った。
「前提条件として休憩中に食べるのならば。匂いの強いものでなければ、用意してかまいませんよ」
「いいのか!?いいんだな!?エミリアはいいと言ったな!?」
 テレサが勢いこんで身をのり出してくるので、エミリアはのけ反りながら頷く。「休憩時間だけですよ」と念を押して。
「わかっているとも!ではさっそく買いに行こー」
「僕が買い出しに行きますよ。先生には必要経費として通る文言を考えてほしいです」
「え!?」
 エミリアにまたも豚切られたテレサは項垂れた。
「エミリアちゃんのいけず!」
 しまいには不貞腐れてソファに倒れこんだ。しかし彼女はこれで大人しくなる人間ではない。
「わかったよ、買い出しはエミリアちゃんに任せる。私の天才的頭脳ならば菓子類は納得のいく説明で経費扱いにしてやろう。
 だが労力を考えたら釣り合いが取れないな。せっかくなら軍部内の女子も配りたいから、彼女達に可愛いとか美味しいと言わせれるのを頼むぞ」
 意趣返しとばかりにテレサが人の悪い笑みでリクエストしてくる。
「……そういうのは不得手なんですが、善処してみます」
 思わぬカウンターを受けたエミリアは気難しい顔で承った。

end
(転属した最初の仕事はお掃除を含め、こんな感じかもしれません。)

コメント

[*前][次#]

無料HPエムペ!