罰ゲーム
6(完)
「むむむむ無理っす!!!!」
声が出ないんすよ
「意気地ねーな。漢をみせろよ。」
総長が心底呆れたと顔全体で語っているが無理なもんは無理だ。
だからあんな作戦起てたんだ。
「ったく、しょうがねーな。おい、今からゲームすんぞ。」
え?なんで?
総長、自由過ぎじゃないっすか
「で、負けたやつは罰ゲームな。」
「ま、まさか…」
総長が何をするつもりなのか察し狼狽える俺にニヤっと悪い顔で笑い、言った。
「罰ゲームは"好きなやつに告白"な。」
「おぉ!!それいいっすね」
「こりゃ負けらんねーな。」
やばい。ハゲとモッヒーが乗り気だ…。
「ちょっと待って下さいよ!!俺はいやっすよ!!」
「んだよ。まだ誰が負けるかなんてわかんねーだろ。」
「それは…そう、っすけど…」
「そうそう♪嫌なら負けなきゃいーんだからやろうぜ!!」
「……よし、わかった。ぜってー勝つ!!」
タイマンなら絶対ハゲには勝てる!!ビリにならなきゃいーんだ。
「よし、決まりだな。じゃあ始めんぞ。花札。」
「「うっす!!」」
「え」
…花札?
え?待ってどういうことだ。
「"こいこい"やるか」
「いいっすね♪」
「俺、札配ります。」
「おう、頼む。」
俺を置いてどんどん進めていく3人。
「いやいやいや!!待てよ。なんだよそれ。ルール知らねーよ。なんでお前ら知ってんだ。」
「何言ってんだよ?勝負と言ったらこれだろ。逆になんで知らねーんだよ」
「…えーちゃん、知らねーの?」
「日本に古来から伝わる方法だぞ。」
「まじか…」
知らなかった。そんな伝統的なものがあったとは…。
「まあ、教えてやるから。やるぞ。」
「はい!!お願いしゃす!!」
見事騙された俺が始めてやるゲームで勝てるわけもなく、惨敗した。
こうなったらやるしかない。男に二言はない。
「えーちゃん、世間は俺様キャラに弱いそーだ。」
「…俺様?」
「あぁ。俺様だ。」
「………(またなんか言ってるよ…)」
ハゲの助言を聞き、告白の言葉を考え練習した。
この後、あまりにもはっきりと振られることになったが、俺と一宮の道は再び交わった。
あの日はすぐに離れてしまったが、やっと見つけたんだ。もう二度と離さない。
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