罰ゲーム
3
自覚してからは散々だった…。
以前なら声が出ないだけで一宮の視界の範囲内には行けた。
だが今は、それすらも儘ならない。
……あ゙あ゙ぁぁぁぁぁあ
どうしようどうしたら、一宮に意識してもらえるんだ…!!
頭を抱え、考える。
「まさかお前がこんなにもヘタレだとは…」
「……あいつが初めてなんだよ。しょうがねぇだろ。」
モッヒーが驚きつつ呆れるという器用なことをしながら言うがしょうがねーんだ。
体が勝手にそうなるんだ。
「噂だ。」
「「は?」」
何言ってんだ。こいつ。
「えーちゃんが3年、潰せば噂になる!!」
「「………」」
そりゃなるだろ。
「分かってないねぇ〜」
チッチッチッと舌を鳴らしながらドヤ顔のハゲが言う。
「男も女も強い男が好きだ。」
「っ!!!!!?」
確かに!!
俺はハゲを見くびっていたのかもしれない。
これなら視界に映らなくとも、一宮に意識してもらえる。
3年潰す→噂が流れる→一宮の耳に入る→カッコいい!!付き合ってください//→カップル誕生
……これだ。
「よし、ハゲ俺、行ってくるわ。」
「おう!!」
「おい馬鹿待て。」
「モッヒー、悪ぃがこれは俺一人でヤんねえと…」
「…ちげえよ。お前ら忘れてんだろ。総長は3年だぞ。あの人に迷惑かける訳にはいかねーだろ?」
「「あ」」
忘れてた。
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