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罰ゲーム

自覚してからは散々だった…。

以前なら声が出ないだけで一宮の視界の範囲内には行けた。
だが今は、それすらも儘ならない。


……あ゙あ゙ぁぁぁぁぁあ
どうしようどうしたら、一宮に意識してもらえるんだ…!!


頭を抱え、考える。


「まさかお前がこんなにもヘタレだとは…」

「……あいつが初めてなんだよ。しょうがねぇだろ。」

モッヒーが驚きつつ呆れるという器用なことをしながら言うがしょうがねーんだ。
体が勝手にそうなるんだ。

「噂だ。」

「「は?」」
何言ってんだ。こいつ。


「えーちゃんが3年、潰せば噂になる!!」

「「………」」
そりゃなるだろ。


「分かってないねぇ〜」
チッチッチッと舌を鳴らしながらドヤ顔のハゲが言う。

「男も女も強い男が好きだ。」
「っ!!!!!?」
確かに!!

俺はハゲを見くびっていたのかもしれない。
これなら視界に映らなくとも、一宮に意識してもらえる。

3年潰す→噂が流れる→一宮の耳に入る→カッコいい!!付き合ってください//→カップル誕生

……これだ。


「よし、ハゲ俺、行ってくるわ。」

「おう!!」

「おい馬鹿待て。」

「モッヒー、悪ぃがこれは俺一人でヤんねえと…」

「…ちげえよ。お前ら忘れてんだろ。総長は3年だぞ。あの人に迷惑かける訳にはいかねーだろ?」


「「あ」」

忘れてた。

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