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おうちにかえろう
おばか不良×引きこもり平凡
クラスメイト(共学)






朝は戦争だ。
まず、心地好い布団の中から出れるか、出れないか。これが大きく勝敗を分けることになる。
しかし、ここで勝ち上がったとしても更なる敵が待ち構えている。そう。"朝食"だ。ここでは皆、さまざまな戦法を使っていることだろう。うまく奴を躱し戦わずして勝つ者や正攻法できっちり倒せるやつなど、その戦い方には環境が大きく関わっており、その環境に合わせた戦い方で奴を倒す。まだ倒さねばならない敵が出てくるが全ての戦いに必ず関わってくるのが"時間"だ。
たとえ、勝てたとしても倒すのに時間がかかれば敗者となる。

俺は敗者だ。
第一の敵が倒せない。
そして昼過ぎに起きる俺は途中から教室に入る勇気もなく明日こそは!!というのを繰り返し、もうすぐで半年近くになる。


ちなみに両親は海外だ。旅行とかではなく、父親が海外支店に移動になり母親も父親に着いていった。二人は俺を連れていくつもりだったが絶対に嫌だと説得し、しぶしぶ置いていった。だからこそこんな生活を3ヶ月近く続けてこれた訳だが、そんな敗者の中の敗者の俺は今、朝の戦争を勝ち抜いた猛者達の中(登校中の学生や通勤中の人達)を金髪の猛者に俵のように抱えられ進んでいく。


なぜだ。

「さっきからぶつぶつ、うるせーな。言いたいことあんならはっきり言えよ。」

「え!?ごめん、思考が口から出てたなんて…。気づかなかった。」

「…お前、大丈夫かよ。」
あれ?
この人、見た目ほど怖くないな。ていうかなんか苦労してそう。

「あ!ねぇ、なんで俺は抱えられてるのでしょうか?」

「あ"?」
やっぱちょっと怖いわ。
でもはあ、とため息をついてから金髪君は話してくれた。
「……お前さあ、学校来てねーだろ。」

「あ〜、うん。朝、起きれなくてさ…。それで教室に途中から入ってくのやで………つい。」

「そんな理由かよ。」
呆れた声のすぐあとにちっと舌打ちが聞こえた。
あれ?もしかしてキレてらっしゃる…?
「ごめん。えっと、怒ってる?」
勇気を出して聞いてみた。

「怒ってねーよ。ただ、そんな理由で俺はこんなことしてんのかと思っただけだ。あと謝んなくていーから。お前のおかげで俺、助かるし。」

「どういうこと?」

「出席日数やばいし、頭も悪いから点数も足りてねーだよ。けど、お前を連れてけばちょー消しにしてくれるんだと。」

「………」
え。なにそれ。俺もしかしてめちゃくちゃ問題児扱いされてない?
「お前一回も来てねーだろ。先公共が優しくしてやってくれってうざいのなんのって。」

まじかー。
ますます行きたくなくなったんだけど。
ていうかもう学校着いちゃったよ。…かえりたい。
てかさー、いくら金髪不良に抱えられて登校して来る不登校児が珍しいからってじろじろ見すぎじゃない?ほら、あそこの女子なんて笑ってるよ。恥ずかs…………!?

「金髪君金髪君。」
重大な事実に気づいてしまった俺は金髪君の肩を軽く叩いた。
「何だよ。」

「俺、パジャマだ。」

「我慢しろ。」

ひどい。でもそれだけじゃない。

「荷物もなんも持ってない。」
ぴたっとやっと金髪君が止まってくれた。

「…………」

「…………」

そして見つめ会う俺たち。しゅーる。



はあ、とため息をつき金髪君が何かを諦めたように
話し出した。
「戻るか。」

「え?」

「荷物もねーんじゃ授業受けらんねーだろ。取りに戻るぞ。」
えー。取りに戻るってまた学校に来るの?めんどくさい。
あ。いーこと思い付いた!!
「ねぇねぇ、金髪君。」

「今度は何だ。」

「俺ね頭だけは良いんだよね。」

「あ"!?…ケンカ売ってんのか?」
「違うって!さっき点数足らなくてこんなことになったって言ってたじゃん?だから俺が勉強教えてあげるよ!実際、一学期はテストの点数よくて出席日数問題はなしにしてくれたし。」
金髪君がキレたので慌てて喋った。
うん。と言ってくれ。頼む。一回帰ってまた来るなんてめんどくさ過ぎる。


「…………お前」

なんだ?…だめ、か………?
金髪君の言葉を待つ。

「お前、頭いーな。じゃ、よろしく頼むわ。」
よっしゃ。
「あたぼーよ!じゃあ、早速俺んちに帰ろう!!」

「あぁ。」



そして俺たちは帰った。金髪君に抱えられたまま。














―朝のホームルーム―

「…あいつら今朝、来てたよな?」

「帰りました。」

「え。まだホームルームも始まってないのに…。」

そこには魂が抜けたかのように呆けた担任の姿があった。





○登場人物
・引きこもり平凡
低血圧
好きなことは睡眠と食事
勉強は家に居るときに教科書を見ながら独学
理解が早い

・金髪君
髪は地毛
クォーター
口調が荒く勘違いされ易いが面倒見が良く、困ってる人を放っとけない
喧嘩は強い
勉強は理解するのに物凄く時間のかかる子


○補足とその後の妄想
なぜ金髪君が平凡を抱えていたのかというと。
金髪君はまず、平凡の家に行き呼び鈴を鳴らしたけど出てこず、焦れて玄関をガチャガチャしようとしたらドアが空いたんです。無用心。
で、部屋へ行き、起こしても起こしても起きない平凡くん。そうこうしているうちに時間がなくなり、焦ってそのまま連れてきてしまったうっかりさん。
でこの後は、担任に泣かれますが金髪君が平凡宅で日々を過ごし勉強も教わり、平均点が底辺から並みに上がり、担任がまた違う涙を流します。一緒に過ごすうちに波長が合うのに気付きお互いにとってかけがえのない存在となります。二人は保健室登校扱です。
でも、金髪君はクラスの不良と一般生徒との橋渡しをしていたのでちょくちょく顔を出してます。
で、親の居ぬ間に大学生の従兄弟が置いていったAVの中にあった男同士のほにゃららを見て気になったので経験豊富そうな金髪君に「お尻って気持ちいいのかな?」って聞いたら「試してみるか」ってなってあはんな関係になります。
体を合わせた事によって二人でいるのが心地良いなっていうだけだったのが独占欲が湧き、恋人になります。
そんなかんじ。




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あきゅろす。
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