とおるは、何かが弾けるのを感じた。
何が弾けたのかは、わからなかったが。
「主催者。俺はここでリタイアするぞ」
「ええ、構いません」
「はやみくん、行こうか」
とおるははやみの腕を掴み、引く。
「えっ…?ど、どこへですか?」
「聞かなくてもわかるだろう?」
とおるはの口は、三日月のようにしなった。
腕を掴む、手の力は強い。掴まれたはやみはその痛みに、顔を歪める。
離さない、逃がさない、とでも言うように。
「さて次は、一之瀬さんのところに行きましょうか?」
主催者は、車を動かした。
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