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プラチナム
「ミハエル…。この部屋暑くないか?」

デジタルな10℃という表記は偽りではないはずだ。

「いや、この部屋は決して暑くはない。だがもし君が暑いとすれば僕が君に飲ませたこの美しい薬のせいだろうな」

ミハエルの人差し指と親指に器用につままれた細いガラスケースに鮮やかなピンク色の液体が揺れる。

「ミハエル… まさかお前!!」

ミハエルの口元がにやりと動く

「姫。俺で良ければ相手してやろうか」
「結構だ!!」

アルトは頬が少し赤らむ表情で叫び、急いで部屋を飛び出した。

『俺に…俺に媚薬なんか飲ませやがって!!』

お前に面白い物見せてやるよだなんて急に言い出したミハエルに 少しの疑問を抱きながらも興味本位でのこのことついて行ったアルトもアルトなのだが

とりあえず 良からぬ事態になる前に帰宅することにした

薄暗くなった道を一目散に走る

『あと少し…あと少しで…』

ようやく家が見えかけた頃
同時にドアの前の人影も目に入った
緑色の髪 その人影は

「アルト君っ!!」

その少年の姿を瞳に捉えたランカはきらきらした表情で彼の名を呼んだ

「ラ…ランカ!?」

予想していなかった人物の登場にアルトは動揺した。

「急に押しかけてごめんねアルト君…。この間ミシェル君たちとアルト君のお部屋で遊んだときに落とし物しちゃったみたいで… 探してもいいかな??」
「あ、あぁ…いいけど…」
「ありがとアルト君っ」




あきゅろす。
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