セフィクラ
必需品(6)
「どうした…?」
「…ベッドの方がいいなぁ…」
「ふーん」
俺は体を起こすと、クラウドを抱えあげた。お姫様抱っこではなく、肩に抱えあげたので、クラウドがびっくりしている。
「ちょ、ちょっと」
「ベッドの方がいいんだろう?」
「な、なんか、誘拐されてるみたい」
「誘拐ねぇ」
俺は苦笑した。このシチュエーション、俺としては、思いを寄せるお姫様の強奪という感じなんだが。まあ、変わらないか。
寝室のベッドにクラウドを下ろすと、クラウドは自分から上半身裸になった。白い肌をあらわにして、潤んだ瞳で俺を見つめている。俺がどういう気分になるのかわかっているのか、わかっていないのか。
「わかってて、挑発してるのか?」
「…挑発なんてしてないよ。俺の気持ちだよ、『さ
あ、食べちゃって』っていうね」
まだクラウドの知らない面があることをこういう時に思い知らされる。口元だけで笑っているクラウドはまるで娼婦のようだ。味わった後、たとえ殺されても、きっと俺は文句を言わないだろう。
「…かなわないな、クラウドには。抗うすべが見つからない…」
クラウドを後ろに押し倒して、首筋に赤い印をつける。俺のものだという印。ことあるごとに、クラウドは俺のものだと認識したり、認識させてもらったりしているが、違う面を見るたびに、クラウドは俺のものではないのだ、と現実を突きつけられた気になってしまう。
クラウドの右の乳首を舌で転がしながら、左側を指先で弄ってやると、クラウドは短い声をあげつつ、体をよじる。相変わらず感度のよい体に、俺は思わず笑ってしまった。
「…何が…おもしろい…の…?」
「いや、相変わらずだ、と思っただけだ」
「…相……変わらず……?」
「そう。どこ触っても、感じやすいな、と思って」
「…きっと、セフィロスが…触ってる…からだよ…」
さらりとすごい台詞を吐く。俺以外に触られたら全然感じないような言い方。もちろん、俺は俺以外の相手がいたかどうかなどを知らないから、クラウドの台詞が本当か嘘かはわからない。
「では、もっと感じてもらおうか」
クラウドの下腹部まで手を滑らせて、パジャマと下着を一緒に脱がせる。あらわになったクラウドの昂ぶりに軽く手を添えて、舌を這わせる。
クラウドは一度大きく体をよじらせたが、その後は何かに耐えるように、シーツを握る手に力を入れていた。
俺がクラウド自身を根元まで咥えては、先まで戻してというのを繰り返すのにあわせて、口からは短い高い声がとめどなく流れていた。
口の上下運動を早めると、クラウドは息も絶え絶えといった感じで、
「…も、…ダメ……」
絞り出すように、声を出した。
クラウド自身から口を離すと、クラウドは俺の手に白濁の液体を放出した。
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