セフィクラ
必需品(2)
「ど、どういう意味だ?」
「どういう意味も何も、そのまま」
「手伝うってつまりは……」
「そうそう、そういうこと。じゃ、帰ろう。アイスクリームが溶けちゃうよ」
クラウドは軽く話を終わらせたが、こっちは、はあ、そうですか…と聞き流せるような内容ではなかった。
まさか、こんな展開になろうとは思ってもみなかったぞ。
「後から行くから、先に入ってて」
「…あ、ああ…」
結局、話の流れ上、特訓することになった。
シャンプーや、お湯が目にしみるのが嫌だったという理由で使っていたシャンプーハットを使わずに頭を洗えるようになろうという特訓だ。
普通は、成人男性などは使わないんだそうだ。だから、クラウドは俺が使っているのがおかしいと言っていたのだ。
まあ、使わなくなるように越した事はないが、そうなるためにクラウドは手伝うと言う。
手伝うってどういうことだ。
手伝う内容はこの際どうでもいい(いや、よくないか)。つまりは一緒に風呂に入るということになるのだ。
今まで一緒に風呂に入った事がないわけではないし、裸だってもう見慣れているわけで……。
いや、見慣れてない、見慣れてない。
俺は一人で思い切り頭を振った。傍から見てたら、きっと一人芝居しているおかしな人だと思われることだろう。
ともかく、クラウドは一緒に風呂に入ると暗に言っていることになる。
どうにも落ち着かない……。
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