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セフィクラ
必需品(10)
「じゃ、じゃあ、その気持ちありがたく…」

「よしよし。それでいい」


 クラウドは俺から離れると、俺の肩に手をかけた。そのまま体重を乗せてきて、クラウドは俺の上に乗る形になった。

「クラウド…?」

 潤んだ瞳と、半分開かれた口元。そこからこぼれる言葉は俺の名前と、キスをねだる言葉。

 クラウドの頬に手を伸ばして、引き寄せる。初めは唇が触れる程度の軽いキス。

「…あ…」

 名残惜しそうなクラウドの声に笑みを浮かべる。クラウドがどんな状態でいるのかは、わかっている。

 クラウドは俺の唇に指先を当てて、拗ねたような表情を見せている。

「笑ってないで…、ね?」


 言葉で返事をせずに、態度で返事をする。

 クラウドをさらに引き寄せて、唇を重ねた。クラウドは待っていたように自分から舌を絡めてきた。どれぐらい重ねていたかわからないぐらい長いキス。その後、クラウドはすごく困ったような顔をして俺を見た。

「何だ?」

「…俺、もう……」

 クラウドが何を言いたいのかわかった俺は、思わず
噴出しそうになった。キスの間、クラウドは本当に落ち着きがなかったから、真剣にヤバイのだろう。

「わかってる。じらすとおかしくなっちゃうだろ?」

 クラウドは頭を大きく縦に振っている。
 クラウドの胸の突起に口付けると、それだけでクラウドは大きく身体をくねらせる。

 今回は俺自身が楽しむ事は考えずに、クラウドを気持ちよくすることだけ、考えていた。それはクラウドに対する今までの感謝の意味も含まれていた。





 次の日もクラウドは俺の髪の毛を楽しそうに洗っていた。
 クラウドが飽きるまでは当分洗ってもらうことにしようと思い、まだ、シャンプーハットの発注はしていない。



<終>


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あきゅろす。
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