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Black Number
狂った世界。狂った僕等。B
クロの愛銃の先が炯に向けられる。すかさず炯は両手を胸の前辺りまで上げ降参こポーズをとるも浮かべている表情は先程と全く変わっていない。
お互い微笑みを浮かべたままであった。

「まぁ、冗談はそのくらいにして…悪かったよ。遅刻した分はタダで情報あげるさ」
クロから視線を外し、炯は陽の隣へ腰を降ろした。同時にクロの銃を降ろす。炯は両手をテーブルの上で組み、再びクロに視線を戻す

そこには、一片の油断もない凛と張りつめた情報屋の姿があった…
「まずは頼まれていた情報からだ。…クロさんが探してる奴は2年前にD地区の医療施設に入院していた事がわっかた。診察歴や患者情報が一般に保管されているはずの場所じゃなく政府の管理ファイルに入っていた……退院後の足取りは不明。もしかすると政府関係者の中に紛れ込んでいるか。管理局に匿われる可能性がある。…なぜクロさんが奴を見つけ出したがっているのか聞くつもりは無いが政府か裏に絡んでることは間違いない。そうと分かればますます慎重に動く必要がある。もし、気付かれればクロさんもGC…下手したら賞金首の仲間入りだぞ?」
「……あぁ。」
「それも承知の上か…俺はしくじらん。これからも情報を集めてみよう。個人的な興味のあるしな」


淡々と二人の会話が進む中、陽は話の内容について行けず頭に疑問符を浮かべながらじっと前を見詰めている。
結局そいつが何処に居るのか?
そもそもクロが誰を捜して居るのか…?
クロが賞金首?
ぐるぐると考えている内に脳内解析が容量オーバーしてしまい、ゴッと鈍い音を立ててテーブルに突っ伏してしまう。
音に気が付いた炯とクロは話を止め陽の方へと視線を向ける。
「何やってんだ?陽…」
頭から湯気が立ち上っている陽の姿に炯は思わず問いかける。ゆっくり上半身を起こした陽の表情は一目瞭然で不機嫌そうであった。なぜなら、頬袋がパンパン…あまりの膨れぶりに思わず手が出、頬を突いく炯の手を陽は勢いよく払いのけた。
「さわんなッ」
「よーちゃん、五月蠅いよ。」
「ッ…」
「おー怖」
大声で叫んだ陽に殺気がこもった言葉を投げるクロ。言葉を詰まらせた陽はたまらず黙り込んでしまった。その瞳には心なしか涙が溜まって見える…
しかし、クロが本当に殺気を向けていた先は陽ではなく炯であった。それに気付いている炯は怯むこともなく笑っている。


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