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短編
夕暮れ時

一人屋上で幻想的な夕日を見ずに、真下をフェンス越しに見下ろした。
見えるのは夕日と同じ赤。
「Hey!なにしてんだ?」
少し陽気気味な声に後ろを振り向けば、なんとなく青。
「政宗か」
青っぽい政宗に、下は赤。
相対する色の様に感じる。
実際はそうでないのかもしれないけど。
俺はそう感じてる。
「あぁ、んでなにしてんだ?」
再度同じ事を問いかけてくる。
まぁ、放課後の屋上で一人、フェンスの近くにいれば気にもなるだろう。
俺だってなったさ。
だから、屋上に来た。
「別に、ただ赤いのが…いや、赤くて尻尾のある物体が落ちている気がするが、多分、幻だ、疲れによって見えた物に過ぎない」
見に来たら、その人物がいなくて、下になにか見えてるだけ。
うん、ただの幻だ。
これぞ、夕暮れ時の幻想だよ。
「現実逃避してんじゃねぇっ!それ、ぜってぇ真田だろ!!」
慌てて、政宗も下をみる。
未だに寝っ転がっている赤。
生きてるかな?
どっちにしても。
「煩いよ、ひじk、じゃなかった政宗」
「今だれと間違えた?」
うわぁ、慌ててたくせに地味に突っ込んでくるね。
マジで間違えたんだからそこはスルーで頼むよ。
政宗、じゃなかったひじ、あれ?
「内心でも間違えてんじゃねぇよ!Shit!そうじゃねぇだろ、今は真田だっ!!」
そう言って飛び出していく。
人の心読んだのはスルーかよ。
まぁ、いいけど。
下を見れば、赤いのが迷彩に起されてる。
起された赤いのははしゃいで迷彩と消えたとさ。
…。
別に俺は落ちたなんて言ってないからね。
と後にその場に来る政宗を見る前に逃げた。
俺が屋上についた時には誰も居なかった。
確かに人がいたのにね。
入れ違いもない。
だから、俺が見た人こそ目の錯覚だったのかもしれないね。
例え、今は政宗の後に見えていても、錯覚だよ。
うん、疲れによる幻…だよね?


(なんか最近身体が重い気がする…)
(錯覚だよ、錯覚)


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あきゅろす。
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