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僕が何も言えなくなったのを取り繕う様に、今まで黙っていたベルが静かに口を開いた


「ユーキ、お前ってどっかの名家の子供なのか?」

「えっ、そうですけど…
よく分かりましたね?
僕、何も言ってないのに」

「そりゃ分かるだろ。
まだまだガキな癖に、その言葉遣いでまる分かりだ。
小さい頃から教育されてねぇと、ガキには出来ねー真似だよ」


それは僕も思ってた

ユーキってまだ10歳くらいなのに、敬語が板に付いてるからね
ベットを薦めたりとかも、ちょっとやそっとじゃ出来ない事だし

子供って自分で一杯一杯だから、誰かを気遣ったり気にかけたりするのはちょっと難しい……と思う


それを素直に言うと、ユーキは照れて頬を赤く染めて


「そんな買い被り過ぎですよ。
僕は家の人達がしてるのを見て覚えただけですから」

「でも、それを実行に移す事が出来るユーキは、やっぱりすごいと僕は思うよ」

「あ、ありがとうございます」


はにかんで笑うユーキに、自然と僕も嬉しい気持ちになる

ユーキって綺麗に笑う子だなぁ

見てるだけで優しい気持ちになれる

そんな感じの笑顔


僕にはちょっと眩しいけど、その光を心地良いとも思う

闇は光を求めてしまうものだから

例え、それで自分自身が消えてしまっても求めずにはいられないから



眩しくて目を眇てユーキを見ていると、次に出て来たセリフに驚きにパチパチと瞬きをした

ユーキは内緒話をするみたいにちょっと声を潜め、怖い話の時みたいに顔を恐くした




「カインさん達はヴァンパイアってご存知ですか?


「え…?
ヴァンパイア?
知ってるよ、だって僕は――――――」

「ゴホッゴホッ!!」


僕の答えを遮る様に、ベルがわざとらしい咳ばらいをしてギロッと睨んで来た

ベルの目は余計な事を言うなって物語っていて、僕は仕方なく口を閉じた

言ったって別に大丈夫なのに、ベルは心配性過ぎるよ


恨めしげにベルを見るけど、気付いてるはずなのに僕を完全にスルーして話しを勝手に進める



「それぐらいなら誰だって知ってるんじゃねぇの。
で、そのヴァンパイアがどうかしたのかよ?」

「はい。
ベルさんはヴァンパイアの存在を信じていますか?
それとも架空上の…物語だけの存在だと思いますか?」

「あ?
……そりゃ、いや…えー。
信じてるつぅーか、なんつぅーか………」


ユーキの質問に、めちゃくちゃ困った様に口ごもるベル

明確な答えを求めてなかったのか、それとも最初から否定されると思ってたのか
ユーキは曖昧な返事をするベルを気にする事なく話しを続ける


その顔に悲しみの色を混ぜて












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あきゅろす。
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