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Novel〜他〜



なぜか俺は今先生の病院の二階にいる

ここは先生の生活スペースで入るのは初めてだ

章さんと別れた後、先生は急に晩御飯をご馳走すると言い出した

遠慮したのだが俺は先生の押しに弱くて
家に一度帰り、ハナを繋いで母親に一言いってやってきた



「はい、どうぞ」

リクエストはない?と聞かれ、前に先生が焼きそばが得意だといっていたのを思い出したので焼きそばを作ってもらった

「うまそぅ♪」

見た目と一緒で味も申し分なかった

あっという間に平らげ、今は先生がコーヒーを淹れてくれたコーヒーを飲んでる

「いい食べっぷりだったね、作った甲斐があったよ」

「ご馳走様でした、このコーヒーもすごくおいしいです」

先生との会話が楽しくて、俺は自分の体がおかしいことにまだ気づいていなかった




「先生、なんか俺・・・」

ひとしきりコーヒーと先生との会話を楽しんだ後、先生は食器を洗い始めた

俺は先生の家の大きなテレビでバラエティなんか見てたんだけど

そのころになってようやく自分の不調に気づいた

熱っぽいというか、心臓の音がうるさいくらい早く鳴っている

帰って寝ようと思ってキッチンにいる先生に声をかけていこうとソファを立った

「どうしたの?寅美君」

「熱っぽいみたい、そろそろ帰ります」

迷惑がかからないようにと玄関に向かおうとする

すると

「だめだよ」

やんわりと否定され、ついでに後ろから抱きしめられた

「せ、んせい?」

こんな状態な上に抱きしめられてとっさに対応できない
むしろ自分の声が甘えたように聞こえて余計に混乱する

オロオロしていると、先生は俺の体を振り向かせて切なそうな顔をした

「俺のことを嫌いになってしまうだろうね」

そういいながら頭の後ろに先生の大きな手が回ってくる

「でもごめん、我慢できない」

そういわれながら近づいてくる顔に思わず目を瞑りながら

先生って本当は自分のこと「俺」って言うんだな、と

ぼんやりしてきた意識の中でそう思った






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