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Novel〜孕〜 ２ ★ 最初の家に着く前に、他の家々の子供たちに合流しました。 彼らもみんなお面や覆面を被っているので、誰が誰かわかりません。こうなってしまえばいつものように彼らに紛れてお菓子を貰いやすくなります。 しかし、エドが皆が向かっている家とは違う方向を指さしました。 「あ、あそこにおうちがある！」 「とりっくりありーと！」 エダもそちらを向いて、嬉しそうに飛び跳ねます。 「え、あっちについていったほうが…」 ナッツは慌てて、軌道修正を図りますが、双子は聞きません。ぐいぐいナッツを引っ張ります。 しかたがないので、双子のしたいようにさせることにしました。皆と一緒にいたほうは楽なのはたしかですが、それだと背の小さい双子は、他の子供たちに埋もれてしまいます。それだとハロウィンの楽しさがわからないかもしれないと思ったのです。 双子に連れていかれた家は、ちょっと静かそうな家でした。小さなランプはありますが、あまりにぎやかな飾りはないようです。 ワサビの住んでいる家も似たようなものなので、ナッツは気にしないことにしました。 エダとエドがぴったり同じ調子でノックします。 少し間がありましたが、中から返事があって、戸が少し開きました。意外なことにそれは大人ではなく、ナッツより少し小さいくらいの身長の、男の子でした。 「とっくりありーと！」 「とっくありあと！」 「え？ふふ、小さい子なのかな？ トリックオアトリートだよ」 その言葉と、目線で、ナッツは理解しました。どうやら彼は目が見えないようなのです。 「うん。まだ小さいんだ」 びっくりさせないように、ナッツはそっと声をかけました。 男の子は顔を上げて、ナッツの声がしたほうを見ているようです。 「こんばんは」 「こん・・・」 「トリックオア」 「トリート！」 ★ ［*前へ］［次へ#］ [戻る]  |