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Novel〜孕〜
15





「うー…腰が重い…」

昨夜、白目を剥いたのでは、と思うほど喘がされ、アキは恨めしそうに腹を見た。目立っていないが、相変わらずその中にはスライムが巣食っている。
路地を歩きながら、気を取り直すように「よし」と呟いて今日の仕事を探しに来ていた。



(…跡をつけられてる…?)

しばらく歩いていて、アキはちらりと背後に目をやった。そこにはこちらを気にしながら一定の距離をおいてアキを追ってくる男たちの姿。
その服装に見覚えがあって、アキはドキリとした。

(スライムを探してたやつらだ…)

あの時、致し方なくではあったが、すれ違ったのはやはり間違いだったと臍を噛む。
だんだんと歩く速度を速めて、でたらめに道を曲がってみるが、男たちが諦める様子はない。

それどころか、二人だった男がいつのまにか五人にまで増えてしまった。

震える足を叱咤しながら、とうとうアキは走り出す。
スライムは邪魔しないようしているのか、いるのを感じさせないほど大人しかった。



「はぁ…ッ、は…、くそ…!」

しかし走れば走るほど、曲がろうとした角に追手の姿が見えて、次第に追い詰められていく。
このままでは捕まってしまうと、危ぶんだ時だった。

「君!こっちへ!」

はっと顔をあげ、迷う暇もなく声がしたほうへ駆けだす。そこには黒い服を着た若い男が立っていた。

「この中へ!早く」

指をさす方を見ると、地下に通じる階段が。男はアキを押しこむように中に入れて戸を閉めた。






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