Novel〜孕〜 9☆ ★ 「はぁっ、…ぅぅ…、あっあ…!」 3つめは一番出口に近い分、力が入りやすいらしい。惣之助には見えていないが、穴からは実が、頭の部分だけを少し見せていた。 彼の呼吸に合わせるように少し引っ込んだり、開いたりを繰り返している。 牛男が低い声で「落とすのも駄目だからな」と言うので、惣之助は必死だ。 「まだ?…なぁ?まだぁ、っ…?」 ぐずぐずと鼻を鳴らしながら、少年が悶える。 それでもしばらく竜蔓と言われていた木の顔が楽しそうに「まだまだ」と解放してくれなかったのだが、大男が「そろそろいいんじゃないか」と言ってようやく同意した。 「降ろすぞい。まだ潰してはいかんからな」 「はひっ…、ッうく…!」 足がゆっくりと降ろされていく。体勢が変わるため、惣之助はふうふういいながら力をいれないように地に足をつけた。 腕の拘束も解かれる。もちろん立っていられるわけがなく、よろよろと惣之助はうずくまるように四つん這いの姿勢になった。 「も、も…ぅっ、出させ、てっ」 涙ながらに懇願する。すると木の顔と牛男が目配せして、牛男がすたすたと惣之助から離れていった。 立ち止まったのは、腰かけるのに都合の好さそうな大きめの石の前。 惣之助の頭に嫌な予感がよぎる。そしてそれは大当たりだった。 「いいぜ。でも、ここまで来てからな」 ★ [*前へ][次へ#] [戻る] |